2012年10月25日木曜日

東北を除く地域で景気判断が下方修正

 日本の景況感がしっくりしないようです。年間1,000万台の販売を目指していたトヨタ自動車も中国での販売不振から、目標に到達しないことが判明しました。自動車以外の産業、特に製造業は中国に対する輸出依存度が高く、ここにきての中国への輸出の鈍化は、景気回復感に乏しい日本経済にとってマイナス要因となっています。訪日する中国人の減少もあり、日中関係の悪化は、製造業だけにとどまらず、観光・小売りなど国内産業にも打撃を与える可能性が出てきています。経済中心につながりが強くなってきていた両国ですが、尖閣諸島の国有化を契機に一挙に冷え込んでしまいました。東アジアの2大国の対立は、世界経済への影響も否定できず、IMF・世銀の総会でも懸念が表明されました。日本、中国とも互いに冷静になり、一日でも早い関係修復を進めるべきであり、それが遅れた場合、日本ばかりでなく、中国経済にとってもマイナスになることは必至でしょう。
 こうした中で、日本銀行は22日に地域経済報告を発表、東北を除く地域で下方修正されたことが明らかになりました。地理的に中国に近い、中国地方と九州地方で、輸出がネックとなり、回復のテンポを弱めていることが判明、中国リスクがあらわれた結果となっています。この発表に関する記事が、2012年10月23日付毎日新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。記事の題目は『東北以外下方修正。日銀、地域別の景気判断』です。以下引用文。
 『日銀は22日発表した10月の地域経済報告(さくらリポート)で、東北を除く8地域の景気判断を前回7月の報告から引き下げた。個人消費は全9地域で悪化した。景気の現状は、欧州債務問題による海外経済の減速やエコカー補助金の終了を受け、「横ばい圏内」や「弱め」との指摘が相次いだ。沖縄県・尖閣諸島問題に伴う日中関係悪化も顕在化している。
 判断を引き下げが8地域に上ったのは、リーマン・ショックの影響により全地域で引き下げた09年1月以来、3年9ヵ月ぶり。国内景気は堅調な内需を背景に全9地域の判断を上げた前回7月から一変した。東北は東日本大震災からの復興需要に支えられ景気判断を据え置いた。
 日銀の白川方明総裁は22日午前の支店長会議で「今後とも間断なく金融緩和を進めていく」と表明。「今後の金融資本市場の展開に十分注意していく必要がある」と述べた』
 個人消費に関しては、エコカー補助金の効果が切れたこと、中国人観光客の来日キャンセルが相次いだこと、残暑による秋物衣料の販売不振が響いたそうです。もっとも、消費が慢性的に弱いのは、雇用問題が根幹にあると考え、地域別のデータが得られる有効求人倍率(パート、新卒を除く)の推移をグラフを作成してみました。リーマン・ショックが起こった2008年9月以降、全地域で有効求人倍率が大幅に低下、2009年中頃を底に回復傾向を示しています。しかし、2012年8月で有効求人倍率が1以上なのは、東海地方に限られており、北海道、九州地方にいたっては0.7倍を依然として下回っています。この雇用状況が劇的に改善がない限りは、景気の本格的な回復はないと考えており、政府による若者の雇用促進など積極的な雇用対策が求められるとろこです。そして、有効求人倍率をみる限りでは、特に倍率が低い、北海道、近畿地方、九州地方にウェイトを置いた施策が必要であると思われます。

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