2011.12.22付日本経済新聞夕刊の『ウォール街ラウンドアップ』という連載に『膨らむ「米国債バブル」?』という見出しの記事が掲載されていました。大まかな内容は、米国の11月の失業率が2年8ヵ月ぶりの低水準となる8.6%にまで低下する一方で、米国債10年物の利回りが1.8%台と年初来の水準にまで下がったということです。通常ならば景気が上向けば、金利は上昇へと向かう。ここで、「米景気と金利のデカップリング(非連動)」という見慣れぬ言葉を使用し、今の米経済の状況を表現していました。この背景には、『「安全資産への逃避(米国債買い)と米景気の改善(売り)との綱引き」と構図』があると説明しています。また、この記事には面白いデータがあり、これを記述します。
『クレディ・スイスによると、米住宅金融公社債などの信用低下もあり市場が「安全資産」の額は過去4年で22兆ドルから12兆円に急減。一方、これらの有力な買い手である新興国などの外貨準備は4兆ドルから7兆ドルに膨らんだ。膨張するマネーの投資対象が減る中での欧州危機で、ドル建て安全資産の需要が急増している。』
データが表しているのが、昨今の米国債の利回り水準です。欧州の銀行も巨額の米ドル建て資産を持っている一方で、米ドルが市場で調達できない状況に陥っており、米ドル建て資金調達の金利にプレミアムが付いているようです。ここへきて、米国のプレゼンスが高まっているようです。
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