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2012年11月29日木曜日

電力会社の平均年収と疑問のある関西電力の言い分

 関西電力が電力料金の引き上げを表明しました。九州電力も、これに続く動きを示しています。一方で、電力各社の平均年収は、500万円をかなり下回っている一般の平均ばかりでなく、大企業平均の596万円をも上回っています。関西電力の言い分には、燃料費を除く経費での削減には限界が出でおり、原油など燃料費が高止まりする中では、電気料金の引き上げしか方法がないというものです。事実、電力各社は収益環境はかなり悪化しており、ほとんどの会社が赤字となっています。損失がこれ以上に積み上がるならば、会社としての存続が危ぶまれています。
 私の考えは、まず第一にするべきは、電力会社は配当金は出さないということです。わが国の原子力発電を間接的に支援してきたともいえる株主は、有限責任ではありますが、投資家として責任をとる必要があります。いまや赤字となっているのですから、普通の会社では配当金は出ないはずです。しかし、株主はこれで納得してはいけません。株主として、電力会社の経営努力を徹底的に追求するべきであり、その中には平均年収の引き下げは当然のごとく、視野に入ってくると思います。
 関西電力の電気料金の値上げに関する記事が、2012年10月30日付毎日新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。安易な値上げは、電気料金の負担が大きい製造業などにとってもマイナスであり、円高で苦しむ製造業の輸出競争力を削ぎかねません。国民全てが関わる問題であり、電力各社に勤める関係者の事情だけで決めることではないといえます。記事の題目は『経費削減、焼け石に水。関電値上げ、原発稼働見通しなく』です。以下引用文。

 『関西電力が値上げの検討に踏み切るのは、原発停止に伴う燃料費負担が、人件費や修繕費のカットだけでは追いつかない水準に達しているからだ。関電は「原発さえ動けば値上げしないで済む」(幹部)として大飯原発2基に続く原発の早期再稼働を目指してきたが、見通しは全く立っていない。ただ、値上げに対する利用者の目は厳しい。関電など電力各社は今後、高額とされる社員の給与水準など、さらなる体質改善を求められる可能性がある。(中略)
 一方で、値上げ審査にあたる政府からは、同社の想定を超える厳しい給与削減策を求められる可能性がある。関電は既に従業員の給与削減も視野に入れて検討を始めているが、政府は利用者に理解を求めるためにも、少なくとも他の大企業並に年収削減を求めるなど厳しく査定する方針だ。東電から今年5月に値上げ申請を受けた際、政府は平均年収を大企業平均(596万円)以下の590万円に削るよう要求した。政府は他社の値上げ審査の際、東電ほど厳しく査定しない考えだが、年収は「大企業並み」削減方針は崩していない』
 赤字が続くと民間企業は存続できません。ただし資金ショートしなければ、しばらくの間は生き残ることもできます。電力会社といえども、東電でみたように国有化され、事実上破綻することはあります。逆に、破綻してからの処理の方が、受給権が発生している年金の支払いなどにも手を付けることができるなど、人件費の削減はさらに容易ともいえます。原発が事故を起こしてから、既に1年と半年が過ぎています。活断層の上に原発を建設したり、津波の直撃を受ける太平洋側に原発を集中立地をしてしまったことは、もう取り戻せない事実であり、わが国のエネルギー政策は破綻したと考えてもいいです。しかし、無駄をなくし、すぐさま対応しなければ、公共性が高い、安定した電力の供給を失うこととなり、このような事態は是が非でも回避するべきです。「原発さえ動かせば値上げしないで済む」などといった発言ではなく、電力各社には真摯な対応が求められるところでしょう。

2012年10月1日月曜日

2030年における電気料金の試算と電力10社の電気料金

 最近のニュース番組で、沖縄にデータセンターを設置する企業について特集を観ました。電気を求めた沖縄への進出は、安い電気料金を求めたものではなく、原発依存度がゼロであり、計画停電の可能性がない、電気の質の高さに着目した動きであるようです。下図は、2012年9月28付日本経済新聞の記事掲載のデータから作成した電力10社の電気料金と2010年の原発依存度を示しています。ここで面白いのが、原発事故を起こした東京電力は論外として、電力料金が高いトップ2社は、沖縄電力の7,701円、中国電力の7,240円だということです。
 沖縄電力は、上述した通り、原発依存度はゼロです。一方で、中国電力は国で定められた検査等で不正があったことから、2010年は、ほとんど原発が稼働していない状況が続き、結果として原発稼働率が大きく低下、同年の原発依存度は3%にとどまりました。中国電力は、もともと原子力発電の割合は低く、建設中の島根原発3号機が稼働しないかぎり、原発比率を高めるには限界があります。リーマン・ショック直前の原油など燃料価格高騰時には、中国電力は利益率の低下に苦しめられ、他の電力会社が年間配当金が60円であった中、50円を堅持していました。今回は、かつて60円の年間配当金を出していた九州電力が、2012年3月期に50円に減配をした上、さらなる利益率が低下してことを背景に、次は無配になる可能性が高まっています。現時点では詳しい情報はないのですが、中国電力は年間50円配当を維持する模様です。
 沖縄電力は原子力発電に全く依存していないことから、原子力発電所に関する減価償却費などのコストは存在せず、これ以上、以下もないというのが沖縄電力の電気料金であるといえます。一方で、中国電力は、保有する原子力発電所への減価償却費の負担がある中で、ある程度の利益を出すとともに、配当金も維持しています。原発ゼロの姿とは、今の中国電力に近いものへ少なくともと持っていかない限りは、全ての電力会社が原発ゼロにする前に倒産する可能性が高いといえます。今でも原子力発電所の減価償却費は発生しており、建設してしまったのですから、資源は有効に使うべきです。原発再稼働により新たに発生した余剰資金でもって再生可能エネルギーの開発へと投資すればいいのであって、現時点でゼロは感情論です。早急な原子力発電の再稼働の方が現実的、かつ合理的であると思います。
 こうした中で、2030年の電気代試算に関する記事が2012年9月28日付朝日新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。記事の題目は『原発ゼロで電気代2倍。あおる危機感・・・実は原発維持でも1.7倍』です。以下引用文。
 『原発をなくすと、電気代が2倍に−。そんな試算をもとに、原発の必要性を訴える声が広がっている。根拠は、2030年を想定して政府が出した数字の一つ。実は、同じ試算では「原発を使い続けても電気代は1.7倍」ともある。危機感をあおる数字だけが、ひとり歩きしている。(中略)
 原発を動かさないと、なぜ電気代は2倍になるのか。いずれの根拠も、政府が6月に公開した数字にたどりつく。30年の原発比率を「ゼロ」「15%」「20%」「25%」とした場合の家庭の電気代への影響を、慶応大の准教授や地球環境産業技術研究機構など4カ所が試算したものだ。
 原発をゼロにする場合、30年の2人以上世帯の平均的な電気代は、10年と比べて1.4〜2.1倍になるという。石油や天然ガスなどの値上がり分が含まれるほか、再生可能エネルギーを広げていくには、原発を使い続けるよりお金がかかるとされるためだ』
 しかし、試算をみて驚くのは、試算結果の開きです。ゼロシナリオでは、最大の2.1倍〜最小1.4倍、25%シナリオでは最大の1.7倍〜最小の1.2倍です。この違いは詳細を追う必要はありますが、計算根拠として一番重要と考えられる石油や天然ガスの価格の見通しに大きな差であると考えてもいいでしょう。今後、世界各地でシェールガスという新エネルギーが開発されたとしても、20年後のエネルギー価格はかなり上昇していることが予想されます。そして、シェールガスに限らず、資源は貴重であり、有限であるであることから、将来世代のために残すべき資源の一つであるといえます。
 現代社会は、豊かなエネルギー資源を基礎として成り立っています。食料にしても、漁業にしても大量の燃料を使用します。ほとんどの人々が、原発再稼働に反対しているようですが、かといって限られた資源である天然ガスなどを使い尽くすという姿勢は許されません。あくまで厳格な調査結果が出てからですが、私が考える現実的な施策とは、危険がないと判断された原発は速やかに稼働させること、稼働によって得られた利益の全てを再生可能エネルギーに投資させるというシステムをつくることです。そして、この再生可能エネルギーの開発に当たっては、人件費を引き下げた電力会社ではその会社に任せ、人件費を引き下げない態度をとった電力会社の場合、全て税金で徴収することを約束させることです。それは、人件費を引き下げない電力会社に任せた結果、高コストの再生可能エネルギー施設を開発してしまう恐れがあるからです。国民総意の同意を必要とする原発再稼働には、大企業との比率でも高いとされる電力会社の人件費削減は不可欠であるといえます。