ラベル 経済政策 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 経済政策 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2012年11月17日土曜日

解散総選挙の決定とその後の株価の変動

 今年は、バタバタの師走となりそうです。11月16日に「赤字国債法案」「選挙制度改革法案」などの法案が両院で可決・成立することなり、衆議院が解散、総選挙となりました。年内解散はある程度は予想されましたが、12月の総選挙は1983年以来の29年ぶりとのことです。
 民主党、自民党が主導する選挙となることが予想されますが、日本維新の会などを中心とした第3の勢力が台風の目となり、どのような結果となるのか現実点では予想は困難だといえます。小選挙区制度性格から少数派の政党は議席を獲得しにくく、自民党、民主党がある程度獲得議席を伸ばす予感はあります。民主党は大幅に議席を減らすことが確実であるものの、自民党・公明党だけで単独過半数の獲得は難しいと考えています。右表は、2012年11月16日付朝日新聞朝刊に掲載されていた民主党(野田佳彦政権)と自民党(安倍晋三総裁)の経済政策の違いです。

 こうして比較していると、自民党は旧来からの政治への回帰を主張している気がします。特に公共事業の推進、農業分野などに遠慮したTPPへの交渉姿勢、そして原発依存への復活などです。経済に主眼をおいて政治的に中立な立場で自民党の主張を評価します。私の考えは、赤字削減を進める必要から公共事業への回帰は論外ですし、経済・産業界から要望のあるTPPへの参加は無条件に進めるべきです。原発については、確かに30年後の原発依存率「ゼロ」はやや難しいことから、着実に依存度を減らす方向で進めるのならば、やや同感はできます。一方で、日本銀行への介入ともいえる無制限の金融緩和は、あきれた感があります。総じて、劇的な変動がないのが、自民党の主張であり、今の日本経済の復活には、よりドラスチックな政策を推し進めることが求められることから、やや残念な感があります。右表は、解散総選挙がほぼ決まった11月14日以降(つまり13日の終値からの比較)の業種別日経平均(500種)を示しています。証券がトップとなっているのは、政局の混乱状態が回避され、経済全般が立ち直る可能性から、株式市場が回復するとの思惑から買われたのでしょう。一方、電力の上昇は、非常に露骨な動きであるといえます。つまり、自民・公明党の政権が勝てば、原発の再稼働がスムーズに進み、電力会社の業績回復が見込まれるからでしょう。しかし、自動車、輸送用機器、窯業、電気機器など総じて製造業などが上位に占めているのが幸いです。公共事業の関連では、建設が3.12%上昇しています。

 民主から自民への政権交代を期待した株価の上昇が、一部にみられます。むしろ、政治的なゴタゴタが日本経済にとって最大のマイナス要因であり、それが解決したからこそ、ここ数日の株価の急回復であったと考えてもいいでしょう。衆院解散後の株価の動きに関する記事が、2012年11月17日付日本経済新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。記事の題目は『金融や電力株、一段高。個人、海外勢に追随買い』です。記事によると、円安と円高の影響、原発再稼働、金融緩和が上げ下げの材料となっているようです。以下引用文。
 『株式市場で金融株や電力株が一段と上昇している。衆院解散を受け、自民党を中心とする新政権への期待から、強力な金融緩和や原発再稼働を見込んだ買いが続いているためだ。海外投資家の資金が流入しているほか、個人投資家の追随買いも目立つ。ただ、これまで堅調だった食品株や小売株が下落するなど、業種によっては逆風の例もある。選挙期間中はこうした流れが続く可能性がある。(中略)
 金融株の上昇も続いている。前日に5%高となった大和証券グループ本社の株価はこの日も7%高と急伸。業種別日経平均の「証券」は直近2日間で10%高と上昇率で首位だ。安倍氏が無期限の金融緩和を表明、緩和政策の恩恵を受けやすい銘柄として買われている。
 証券株にも海外勢の買いに続いて個人の買いが入っているという。「相場全体が上昇する局面では、証券株は銀行株などと比べて上昇率が大きくなりやすいので個人の物色意欲が高まりやすい」(外国証券)ためだ。
 一方で、衆院解散表明後に下落が目立っているのが食品株や小売株。味の素はこの日、3%安となり、セブン&アイ・ホールディングスも続落した。これまでは外部要因に左右されにくい銘柄として買われていたが、足元では売りが膨らんでいる。円安や株式相場の戻りを受け、輸出株へと資金が回帰している』
 私が、次の政権に求めること一つだけです。それは短命でないということだけです。官僚の大規模な移動がない限りは日本自体が根本的に変わることはありません。しかし、毎年行われているサミットなど国際会議に出席する首相の顔が毎年変わるという事態は、もう許されないことです。誰がなるにしても、十分な議論をした上で、首相を選出する必要があります。内部分裂、離合集散を繰り返すのではなく、一致団結とした同意の元で支持される首相が必要なのです。それができないのならば、今回の総選挙も結果として無駄となり、日本経済の復活も永遠にないことになるしょう。失われた30年に突入しようとしている中、許されている時間は少ないです。今回がラストチャンスともいえる選挙です。

2012年11月6日火曜日

ついに始まる米大統領選挙の投票

 2012年11月6日、日本時間の午後7時をもって米大統領選挙の投票が開始しました。米国社会で進む二極化を象徴するように、オバマ大統領、ロムニー候補の激戦が終盤までもつれ込んだまま、投票開始に至りました。今後多大な影響を与える次の米大統領に選ばれるのは、オバマ大統領なのか、それともロムニー候補なのか、世界の人々も固唾を呑んで見守っているところでしょう。2012年11月5日付毎日新聞朝刊に米大統領選に関する記事が掲載されていました。同記事には、10月末前後における選挙人獲得予想が掲載されていましたので、それに基づき概略図を作成してみました。世論調査によりやや差異があり、フロリダ州ではロムニー候補有利とする報道が多いようです。
上記の図によれば、オバマ大統領やや優勢という感は否めないでしょう。NHKのニュースの解説でも、フロリダ州ではロムニー候補が優勢であるものの、オハイオ州、ノースカロライナ州、バージニア州など選挙人数が多い州の何れも落ちすことはできなく、こちらでもオバマ大統領が優勢であることが伝わってきます。特に終盤戦では、オバマ大統領が優勢の州が多いことから、激戦州だけでキャンペーンを行う一方で、ロムニー候補が挽回する必要もあってか、キャンペーンを分散するせざるを得なかったことも、ロムニー候補不利に働いているようです。
両氏の主張は、典型的な民主党と共和党の対立にみえます。政府の介入と大きな政府を容認する民主党支持者と、それを嫌う共和党支持者との間での対立です。私は、米国における格差是正に、どちらの候補が貢献するかで支持、不支持という立場を決めます。これに従えば、所得水準の高い層に対して課税を強化し、医療改革にも前向きなオバマ大統領の方がやや親近感を感じます。しかし、無節操な財政支出には反対であり、これ以上の財政赤字の拡大は、長期的に米国経済をプレゼンスを弱める原因となると考えています。この点で、過去4年近くの在任中にオバマ大統領が行ってきた政策にはやや不信感があり、財政支出の抑制を主張する共和党の大統領の当選が望ましていともいえます。
 日本の外交にとってはどうでしょうか。米国の現政権は、日中関係が尖閣諸島の問題でぎくしゃくしている中、中立的な立場をとろうとしています。しかし、領土問題が顕在化した今、日本とって米国の強い後ろ盾が必要となっています。ならば、伝統的に良好な関係を維持してきた共和党の大統領の方が、日本の国益に適している気がします。世界の人々も左右される選挙です。オバマ大統領の2期目か、それともロムニー氏の逆転かの二つしか選択肢はありません。ゴア氏とブッシュ氏の大統領選の時のように、投票結果に疑義が生じるといった事態がなければ、10月7日の昼くらいには結果が判明していると思われます。明日が楽しみです。