2012年11月6日火曜日

ついに始まる米大統領選挙の投票

 2012年11月6日、日本時間の午後7時をもって米大統領選挙の投票が開始しました。米国社会で進む二極化を象徴するように、オバマ大統領、ロムニー候補の激戦が終盤までもつれ込んだまま、投票開始に至りました。今後多大な影響を与える次の米大統領に選ばれるのは、オバマ大統領なのか、それともロムニー候補なのか、世界の人々も固唾を呑んで見守っているところでしょう。2012年11月5日付毎日新聞朝刊に米大統領選に関する記事が掲載されていました。同記事には、10月末前後における選挙人獲得予想が掲載されていましたので、それに基づき概略図を作成してみました。世論調査によりやや差異があり、フロリダ州ではロムニー候補有利とする報道が多いようです。
上記の図によれば、オバマ大統領やや優勢という感は否めないでしょう。NHKのニュースの解説でも、フロリダ州ではロムニー候補が優勢であるものの、オハイオ州、ノースカロライナ州、バージニア州など選挙人数が多い州の何れも落ちすことはできなく、こちらでもオバマ大統領が優勢であることが伝わってきます。特に終盤戦では、オバマ大統領が優勢の州が多いことから、激戦州だけでキャンペーンを行う一方で、ロムニー候補が挽回する必要もあってか、キャンペーンを分散するせざるを得なかったことも、ロムニー候補不利に働いているようです。
両氏の主張は、典型的な民主党と共和党の対立にみえます。政府の介入と大きな政府を容認する民主党支持者と、それを嫌う共和党支持者との間での対立です。私は、米国における格差是正に、どちらの候補が貢献するかで支持、不支持という立場を決めます。これに従えば、所得水準の高い層に対して課税を強化し、医療改革にも前向きなオバマ大統領の方がやや親近感を感じます。しかし、無節操な財政支出には反対であり、これ以上の財政赤字の拡大は、長期的に米国経済をプレゼンスを弱める原因となると考えています。この点で、過去4年近くの在任中にオバマ大統領が行ってきた政策にはやや不信感があり、財政支出の抑制を主張する共和党の大統領の当選が望ましていともいえます。
 日本の外交にとってはどうでしょうか。米国の現政権は、日中関係が尖閣諸島の問題でぎくしゃくしている中、中立的な立場をとろうとしています。しかし、領土問題が顕在化した今、日本とって米国の強い後ろ盾が必要となっています。ならば、伝統的に良好な関係を維持してきた共和党の大統領の方が、日本の国益に適している気がします。世界の人々も左右される選挙です。オバマ大統領の2期目か、それともロムニー氏の逆転かの二つしか選択肢はありません。ゴア氏とブッシュ氏の大統領選の時のように、投票結果に疑義が生じるといった事態がなければ、10月7日の昼くらいには結果が判明していると思われます。明日が楽しみです。

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