2012年12月12日水曜日

持ち直しつつ欧州経済とユーロ、株価の相場

 この1年を振り返って、世界経済を揺さぶったの第一の要因は、ユーロ債務危機といえるでしょう。ギリシャ危機が深化し、結局は国債のデフォルトにまで至り、混乱はピークに達しました。その後、欧州委員会、ECBなども対応が後手に回り、資金を拠出する側であるドイツなど豊かな国々と南欧など資金を受ける側であるスペインなどと間で対立が激化、ユーロ圏で経済規模第4位のスペインに危機が広がって時は、ユーロという通貨そのものの存続の危機が叫ばれるようになりました。
 この間、ユーロ相場は大きく値を崩し、ヨーロッパ圏に輸出している日本企業にも収益面で影響を与える事態にまで陥りました。中国も成長率の鈍化傾向を示し、主因はヨーロッパ向けの輸出の減少である示唆されています。もっとも、このユーロ相場も、7月を底に回復傾向を示し、ヨーロッパ経済に対する見方がやや良くなっているようです。暫定的な基金であるEFSFから移行する形で、常設のESM(欧州安定メカニズム)が、2012年10月に正式発足し、危機回避に向けた対応が着実に進んでおり、これを好感した結果かもしれません。
 株価も上昇傾向にあり、欧州の主な株価指数であるDAX(ドイツ)、CAC40(フランス)、FTSE100(イギリス)も、5月、6月当たりを底に回復傾向にあります。欧州債務危機に世界経済が引っ掻き回された1年です。欧州経済の回復なくして、世界経済の本格的な復調はなく、今後の動向が気になるところです。欧州経済に関する記事が、2012年12月9日付日本経済朝刊に掲載されていましたので紹介します。記事の題目は、『欧州、じわり資金回帰。株・通貨・国債、トリプル高。債務危機「最悪期脱す」』です。以下引用文。
 『【ロンドン=松崎雄典】欧州金融市場に投資資金がじわりと戻っている。南北の経済格差などユーロ危機の病巣は深いものの、当面は分裂などの大混乱を回避できるとの楽観論が広がっているためだ。ドイツなど主要国がユーロ圏を守る姿勢を鮮明にして、まとまらない政治への「信頼の危機」はひとまず収束。株式や通貨、国債は、そろって高値圏にある。
 今夏ごろに風向きは変わった。欧州中央銀行(ECB)が「期間も量も制限する」としていた南欧国債の購入姿勢を変更し、満期まで3年以下の国債を「無制限」に買うことを打ち出した。
 南欧に緊縮や財政規律を強く要求したドイツも、追加支援や救済条件の緩和に柔軟になった。ギリシャ離脱の影響を真剣に議論し「ユーロ分裂を招きかねないとの判断から支援に積極的になった」(独運用会社)との受け止めが多い。
 ここ2年間で、財政規律を高める財政協定や銀行の資本増強、銀行同盟への取り組み、欧州安定メカニズム(ESM)の創設など、徐々に危機対策が進んだことも安心感につながる。ギリシャの経常収支が9月まで3ヵ月連続で黒字になるなど、南北の競争格差に改善の兆しも見える。
 信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS、5年物)の市場で、独国債の保証料率は0.3%強と、米国債(0.4%弱)を下回る。一時は南欧の危機がドイツの信用力を揺るがしかねないとして、1%を上回っていた』 
 ESM、EFSFの資金総額は、7,000億ユーロにも及び、このうちドイツの負担額は3,000億ユーロです。一時は、独憲法裁判所で、ユーロ諸国に対する支援が違憲か、どうかが審議された。審議の結果が発表されるまでの間、今後の欧州債務危機はどうなるのか、世界から注目されました。最終的には合憲と認められ、それを受けてESMが正式発足に至ったものの、その対応の遅さには、いら立ちを感じました。ギリシャの債務危機は、恒例行事です。来年の春先当たりから危機再燃という事態を回避するべく、EU、ECB、各国政府は事前の対応が迫られているのです。

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