2012年11月14日水曜日

ネット通販対応に遅れた「日本直販」と通販王者のアマゾンの業績不振

 私のライフスタイルは、通信販売の不可欠な存在となっています。その中心にあるのは、もちろんアマゾン・ドット・コムです。商品のラインナップはさることながら、注文してから商品が到着するまでの時間が短く、非常に重宝しています。私は、主にDVDやCD、書籍、デジタル製品の付属品を購入しています。ところが、スーパー等が充実していない地域に住んでいる人々が、アマゾンで食料品を購入していること姿を、テレビ中継でで観たことがあります。この番組は、アマゾンの特集をしたものではなく、自然に溢れる田舎生活を堪能している人々のライフスタイルにクローズアップしたものでした。今では、普通に生活をする上でなくてはならない存在にまでなっているのがアマゾンです。同社は高齢化が進み、都市部と過疎地域の生活環境の格差が問題となっている日本にとって重要な役割を果たす有力企業の一つになるかもしれません。

 このアマゾンが、タブレット端末であるキンドルを日本で販売することを正式に発表、日本の電子書籍市場へと参入することとなりました。アップルが市場シェアをほぼ同独占しているタブレット端末市場は、キンドルの発売によりグーグルのネクサス7とともに激変の予感が出てきました。電子書籍、食料品など広いカテゴリーの商品を扱うアマゾンは、売上高は右肩上がりで増加しています。しかし、収益面では、ITや物流など先行投資の負担が重く、伸び悩んでおり、2012年7〜9月期には赤字決算となりました。アマゾンの決算に関する記事が、2012年10月26日付日経新聞Web刊に掲載されていましたので紹介します。記事の題目は、『米アマゾン、先行投資重く9年ぶり最終赤字』です。以下引用文。

 『【シリコンバレー=奥平和行】インターネット小売り最大手の米アマゾン・ドット・コムが25日に発表した7〜9月期決算は、売上高が前年同期比27%増の138億600万ドル(約1兆1070億円)、最終損益が2億7400万ドルの赤字(前年同期は6300万ドルの黒字)だった。経費拡大や投資先企業の減損処理などが響いて、約9年ぶりに最終赤字となった。
 アマゾンは物流やIT(情報技術)への先行投資が重く、比較的利益率の低い状況が続いているが、2003年7〜9月期以降は最終黒字を維持していた。今年7〜9月期の1株損益は0.60ドルの赤字(前年同期は0.14ドルの黒字)。売上高、1株損益ともに市場予想を下回り、25日の米株式市場の時間外取引で株価は一時、同日終値より8%強下落した。
 アマゾンは10年にクーポン共同購入サイトを運営する米リビングソーシャルに1億7500万ドルを出資したが、同社が過去の買収にまつわるのれん代などの減損を実施。これに伴い、アマゾンは1億6900万ドルの損失を計上した。物流拠点の整備などにまつわる経費も収益を圧迫した』

 アマゾンの赤字決算は前向きなものであり、売上高の増加を踏まえれば、特段の問題はないと考えています。一方で、同じ業態に属するものの、「日本直販」ブランドで知られる総通が破綻するという事態に陥りました。インターネットを軸とした通信販売の成長は著しいものの、総通は依然としてテレビCMによる商品紹介に依存していたため、業績が悪化したのです。通信販売というトレンドの中でも、舵取りを誤れば時代に乗り遅れ、経営破綻に追い込まれるのです。「日本直販」に関する記事が、2012年11月10日付毎日新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。記事の題目は『「日本直販」破綻。ネット通販、対応遅れ。テレビ広告費重荷に』です。以下引用文。

 『「日本直販」ブランドのテレビショッピングで知られた総通が経営破綻したのは、成長を続けるインターネットを通じた市場への取り組みが遅れたことが大きい。通販業界自体は市場が拡大しているなか、広告費などのコストもかさむテレビだけでは限界があることを示した。
 総通は近年、低迷を続けており、90年代に500億円を超えた売上高が11年9月期に255億円に半減。業界紙「通販新聞」によると総通の売上高は業界40位、テレビ通販に限っても11位にとどまっていた。
 総通の不調と対照的に躍進したのが00年11月にウェブサイトを開設した米系ネット通販のアマゾンジャパンで、通販新聞によると今や業界最大手。11年度の売上高は5000億円台前後と推定される。書籍、音楽、家電など幅広く、商品点数は約5000万点。自社で物流センターを持って在庫を抱えることで宅配業者への大口委託が可能となり、物流コストを削減した』
 日本直販の失敗には、テレビ放送という媒体の衰退が背景にもあります。今、私のライフスタイルにおいても、テレビを観ている時間は着実に減っています。逆に、インターネットで、ネットサーフィンをしている時間が圧倒的に多くなっているのが実情です。テレビを観るとしたらBSの有料放送、インターネットを介したコンテンツのストリーミングサービス(Hulu)などです。それくらいに、インターネットにどっぷり漬かった生活をしているのです。放送だけではありません。金融サービスなど普段の生活にかかわることもインターネットなくして考えられなくなっています。アマゾンの成功と日本直販の失敗は、今後求められる企業のビジネスモデルは、ネットを主軸としたものでないとダメであることを痛感されてくれる事実です。

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