
こうした中で、当局内には慎重論もあるそうですが、米国でのMMF規制の議論がヤマ場となっています。2012年7月1日付日本経済新聞夕刊に米MMFに関する記事が掲載されていましたので紹介します。記事の題目は『巨額資金環流のMMF、米、規制議論ヤマ場、金融不安の再発防止』です。以下引用文。
『【ワシントン=矢吹俊樹】巨額の資金が還流し金融システムに大きな影響力を及ぼす「影の銀行」を巡り、米の規制強化論議がヤマ場を迎えている。米当局は預金に近い商品であるMMF(マネー・マーケット・ファンド)の運用会社に対する規制案などを近くまとめるとみられるが、関係者の間で意見は割れている。 米では「影の銀行」の一つである公社債型のMMFは元本の安全性が比較的高く、銀行預金に近い性格を持つ。潤沢な運用資金を元手に銀行などへの短期資金の有力な貸し手になってきた。現在も残高は2.5兆ドル規模に上るとされる。 ところが2008年秋のリーマン・ショック時には解約が殺到し2日間で資金全体の1割相当が流出するなど、金融不安を増幅する元凶にもなった。規制の緩さが裏目に出た格好で、運用資金の流れを安定させるために米証券取引委員会(SEC)や米連邦準備理事会(FRB)は新たなルール案作りを急いでいる』この規制には、①元本割れに備えて準備金の積み立て、②投資家の解約を一部制限、③時価評価情報などの透明性向上、④銀行のMMFからの資金調達などの一部制限のほか、レポ取引に関するものがあります。②の解約の一部制限に関してはやや難があると思いますが、銀行などが過度にMMFへと依存することは避ける必要があり、私は概ね賛成の立場をとります。実は、私自身が保有している外貨建てMMFの運用先に、欧州の金融機関発行のCPなど数多くあり、格下げが連発している欧米の金融機関の惨状を考慮すれば、実のところ気が気ではありません。私の思惑もあり、説得力にやや欠けるところもありますが、危機の連鎖を回避する上でも、日本の証券会社が提供しているMMF及び外貨建てMMFにも同様の規制が施されればと考えています。
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