2012年10月27日土曜日

評価が分かれるソフトバンクによる大型買収

 私は、愚かにもiPhoneを4台持っています。ラインナップは、iPhone3GS、iPhone4、iPhone4S、そしてiPhone5です。全てをまんべんなく使っているわけでなく、仕事場へはiPhone3GS、iPhone5を、プライベートはiPhone4Sを持っていき、iPhone4に至っては完全に埃をかぶっています。そして、全てがソフトバンクとの契約であり、KDDIとの契約はありません。iPhoneをメインに売り出していたソフトバンクは、今まではiPhoneの基本料金を、他のスマホと比べて低く抑えており、モバイルルーターを使っている限りは、月額の基本料金は2年間で機種代程度ですみました。しかし、LTEが使えるようになるからという理由で、iPhone5からは基本料金をアップし、KDDIと変わらなくなりました。つまり、ソフトバンクで、iPhoneを契約する意味合いは少なくなったと考えています。
 状況は常に変動しています。LTEのエリア内でiPhone5を使っても、LTEでの接続は全くできず、3Gばかりでの接続でした。しかし、10月26日の帰宅時には、何故かLTEでの接続がスムーズにいきました。ソフトバンクの企業努力があったのか、それともたまたまなのかは不明です。しばらくはNTTドコモのモバイルルーターは使わず、ソフトバンクの回線を使ったデータ通信を試してみるつもりです。幸い、今年の12月末までにテザリングの契約を結べば、テザリングの料金を2年間無料にするキャンペーンを、ソフトバンクが開始しました。これで、iPhone5を軸にしたモバイルライフが、当面の間、実現できるので、ややほっとしているところです。期近の契約数では、ややKDDIが好調で、ソフトバンクは微増にとどまったようです。この背景には、ソフトバンクが、低く抑えていたiPhoneでの基本料金を、iPhone5からやや引き上げたことが響いたとの指摘があります。これを受けてか、両社の株価は、KDDIの株価が比較的堅調に推移している一方で、ソフトバンクの株価は大型買収発表後の下落幅を戻し切っていないと印象を受けます。
 ソフトバンクに関してプラスに印象を与える記事が『週刊エコノミスト』2012年10月30日号に掲載されていましたので紹介します。私は、日本企業による積極的な海外への投資は、長期的にみてプラスだと考えていますので、ソフトバンクの大型買収を評価しています。しかし、ソフトバンクのユーザーとしては、国内での設備投資が優先し、回線状況を少しでも改善して欲しいという気持ちがあり、私の中では評価が交錯しています。記事の題目は『ソフトバンクがスプリント買収へ、買収額は1兆5700億円』です。以下記事引用。
 『スプリントの買収に関する10月12日の新聞各紙の観測報道を受けて、ソフトバンクの株価は大幅に下落し、時価総額は15日終値までの2営業日で6734億円(21.3%)減少した。一因は、買収に伴う財務体質の悪化や増資による株式の希薄化懸念と見られる。
 しかし、10月15日の買収発表で、ソフトバンクの資金調達は借り入れを中心に行い増資する考えはないこと、スプリントへの資金援助は今回の増資引き受け以外に当面考えいないことが明らかになった。
 買収額201億ドルは、121億ドルを既存の株式の取得、80億ドルをスプリントが発行する新株の引き受けで賄う。また、取得株式の高騰も懸念されていたが、1株当たりの平均価格は6.5ドル弱で、買収報道前の株価水準への平均プレミアムは2割強にとどまった。
 一方、スプリントは、増資で得た現金を借入金の返済に回せば、400億円近い金利負担を軽減できる見込みのため、同社の財務は大幅に改善するだろう。
 これらの結果、株式の希薄化懸念が後退するなどして、10月16日以降のソフトバンクの株価は上昇に転じている。ただし、この動きは、財務面の懸念後退を表しているに過ぎない。中長期的には、買収によるシナジー効果を評価する動きが浮上するだろう』
 ソフトバンクの株価はやや持ち直したいるものの、この間の日経平均株価もかなり上昇し、10月25日に終値ベースで9,000円台まで上昇してました。従って、同社の株価は依然として予断を許さない状況であり、買収先のスプリントの業績に注視する必要があるといえます。こうした中で、米携帯電話市場で、ベライゾンが圧勝するという記事が、2012年10月26日付日経新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。ベライゾンは、iPhoneの導入では、AT&Tに後塵に拝しました。しかし、LTEのカバー率でAT&Tを先行しており、ベライゾンが2012年7〜9月期の契約の純増数で圧勝しました。今後、収益面で、ベライゾンがリードを進めていけば、ソフトバンクの買収がマイナスであったといった結果になりかねません。記事の題目は『ベライゾン、米携帯で圧勝。契約純増数、AT&Tの10倍』です。以下引用文。
 『【ニューヨーク=小川達也】米通信大手3社の7〜9月期決算は、携帯電話事業の伸びで明暗が分かれた。契約純増数(プリペイド契約などを除く)はベライゾン・コミュニケーションズがAT&Tの約10倍の差をつけて圧勝。ソフトバンクが買収を決めたスプリント・ネクステルは純減だった。スプリントは赤字幅も拡大しており、上位2社との差は一段と広がっている。(中略)
 成長のカギを握る高速通信サービス「LTE」の展開でもベライゾンはリードを保つ。10年12月からサービスを提供するベライゾンのカバー人口は9月末で2億5000万人。11年9月に始めたAT&Tは1億3500万人だった。スプリントは今年7月からサービスを開始したばかり』
 契約数の増加は、収益面でもプラスに寄与しています。6月末にベライゾンは1契約あたりの月間収入(ARPU)の底上げを狙った新料金プランを導入、このプランが好調であったため、携帯サービスの収入が拡大、全体の売上増に結びついたそうです。対照的にスプリントの業績は、売上高こそ増加していますが、赤字決算となっています。スプリントの動向が、ソフトバンクの将来を左右しかねないのです。ここで、ソフトバンクを国内2位の携帯会社にまでに押し上げた、経営トップの孫正義氏のマジックが必要となるかもしれません。

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