2011年12月27日火曜日

金か、プラチナか

金とは「ゴールド」のことです。今日は投資対象として選ぶならば、「金か、プラチナか」をテーマについて述べさせていただきます。
私は、毎月、定額引き落との金貯蓄をしています。昨年の12月に契約、最初にスポット買いを行った後、今年の1月に初めて口座から引き落とされてました。きっかけは、日本経済に対する漠然とした不安です。いくら海外資産に投資しようとも、取引する金融機関が日本企業ならば、日本沈没という呪縛から離れることはできません。その呪縛から解放される唯一の手段は、金の現物か、ドルもしくはユーロの現金を保有するかです。因みに、その時点でユーロの現金を選択していれば、現在、とんでもない損失を負っていたことになったかもしれませんね。
 金貯蓄を始めてからほぼ1年になりますので、そろそろ配当が出る頃です。配当好きの私にとって喜びがまた一つ増えたという感じです。契約する前、金貯蓄は引き落としの当月もしくは翌月の特定の日に一ヵ月分の金を購入するシステムと考えていました。契約後、口座の内容をウェブで閲覧していると、取引状況欄に「月額購入」と表示されるだけで、単価や購入量の欄が空欄になっているので、これはどうなっているかと思い、知り合いに相談しました。すると、一ヵ月分の購入額を日割りにして、一日単位で金を買い増していくというシステムだということが教えてくれました。株式の累投が、指定された日の寄付きで株式が購入するのに対して、金貯蓄はより購入単価が平準化され、リスク分散できるシステムであると感じました。そもそも、金を一度に市場から購入して、顧客に配分すれば、市場価格が歪む恐れもあり、銘柄が一つだけという金の特性に適した合理的な取引手法であると思います。
 私は金貯蓄の経験は浅いものの、金相場には興味があって、毎日ではありませんが、ぼちぼち金価格というものをチェックしていました。まず、金価格の動向です。私の記憶では1オンス=400ドル前後で長い間推移し、1000ドルを突破した後は急上昇し、一時的ではありますが、1900ドル台に突入したこと、その後1500ドルから1600ドルの間でスネーク状態にあるということです。もう一つは、プラチナとの関係です。金貯蓄を始める前まで、プラチナには全く関心がなく、女性へのプレゼントならば、金よりもプラチナの方が好まれるということを誰かから聞いたことがある程度でした。女性にプラチナが好まれるのは、当然のことながら、色や艶ではなく、グラム単位の価格が高いからです。私の嗜好かもしれませんが、金の方が綺麗だと思いますし、プラチナは銀のようにも見え、私にとって金が錆びたものにしか見えません(金は錆びることのない、安定した元素ですが、あえて言うならばです)。だから、私はプラチナよりも、金が好きです。 
しかし、金貯蓄を始めてからは否応なく、プラチナの価格チャートが目に入り、プラチナの価格の方が金よりも上昇率が高いということを知ったのが、今年の4月頃でした。それに輪をかけるように、『金は工業用途2割、装飾品8割に対して、逆にプラチナは工業用途8割、装飾品2割』という雑誌記事があり、これからはプラチナだと思い、慌ててプラチナをスポットで買い、間髪いれずにプラチナの累投を始めました。この背景には、埋蔵量はプラチナの方が圧倒的に少ないこと、工業用途ならば貯蔵されるのではなく、消費され、いずれは枯渇、暴騰するという考えがあるからです。もっとも、プラチナは燃料電池の触媒としても有望されているようで、やはり工業用途としてはプラチナの方が金よりも需要が大きいようです。
 その後、プラチナの方が高かったという価格推移が逆転、現時点では金1593.08ドルであるのに対して、プラチナは1423.38ドルにとどまっています(iPhoneのBloombergアプリより、日本時間2011年12月27日の午後22時31分時点)。この逆転現象は、プラチナが工業用途、特にディーゼルエンジンの排ガスの触媒に使用され、景気に左右されやすいという性格があるのに対して、金にはある程度通貨の代替機能があり、通貨不安の中で選択される通貨もしくは通貨同等物である性格を有しているからだと考えています。ならば、今後の動向はどうなのか、今買うべきは金なのか、それともプラチナなのかです。
 ここで注意しなればならないのは、両者の流動性です。私が契約している会社では、金地金は5グラムから選べる一方で、プラチナの地金は50グラムからです。また、小売価格と買取価格の差に大きな乖離があることです。今日時点、金の小売価格は1グラム4244円、買取価格は1グラム4160円で、価格差84円であるのに対して、プラチナの小売価格は1グラム3874円、買取価格は3727円で、価格差147円です。これはプラチナの方が価格が安いのに、現金化する際に取られる手数料が大きくなること意味します。やはり、いざとなった時に通貨の代替品として選択されるのは、流動性の高い金であるいうことです。景気が失速、世界各国の政府が財政赤字に苦しみ、通貨のボラティリティーが上昇している中で、安心したいと考える投資家は金を購入した方が望ましいでしょう。しかし、投資をして儲けたい、リスクをとっても大丈夫だという投資家にとっては、今は金と比べて割安なプラチナの購入がお勧めとなります。
 金とプラチナの価格の推移を表したグラフを貼り付けたかったのでず、残念ながらデータが見つからなかったため、金価格に連動している金価格連動型上場投資信託の月次データをグラフ化したもの掲載します。商品別の詳しいデータが掲載されているウェブがみつかればいいのですが。

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