2012年9月5日水曜日

需要の底上げによりピーチ・アビエーション、順調な離陸

 LCCが日本の空で活躍し始めた。2012年8月9日付『日本航空の再上場と大型増資で対抗する全日空』のブログの中でも少しばかり日本のLCCについて記述しました。現在、日本の空には、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン、そしてピーチ・アビエーションの3社のLCCが営業中であり、当初は、全日空や日本航空などレガシー・キャリアのシェアを奪うことが懸念されました。しかし、格安な運賃をテコに需要そのものを底上げし、航空需要全体を引っ張るという結果となりました。私も、1年に1回に飛行機を利用し旅行をします。次は、関空から発着するピーチ・アビエーションを是非とも利用し、北海道へ行こうかと思い、今計画中にあります。
 このLCCの現況についての記事が2012年8月26日付読売新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。同記事では、仕事はレガシー、家族旅行はLCCといった具合に利点、欠点を踏まえた利用が進むことを示唆しています。記事の題目は『ピーチ、就航半年。気軽な旅、需要底上げ』です。以下引用文。

 『3月に就航した格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」が拠点にする関西空港で、3〜6月の航空各社の総旅客数が前年同期に比べ、新千歳(札幌)線で1.7倍、福岡線では4倍に、それぞれ増加したことがわかった。大手航空会社はおおむね横ばいで、間もなく就航から半年となるピーチが、これまで飛行機に乗らなかった「潜在層」を掘り起こしたとみられる。
 航空各社による、3〜6月の新千歳線の総旅客数は47万人で、昨年同期の28万人から倍近くに増えた。うちピーチは13万人で、大手は横ばいだった。福岡線では、昨年の3万人から13万人に増え、ピーチはうち13万人を集めた。
 ピーチの好調の要因として注目されるのが「潜在層」の存在。ピーチによると、大手で2〜3割とされる女性客の割合は、ピーチでは国内線で5割。搭乗前日に搭乗手続きの練習をする高齢者や、友達と旅行する学生グループの姿が目立つといい、ピーチは「大手とは明らかに客層が違う。格安を武器に新たな客を掘り起こせている」と強調する』
 レガシーキャリア側も、LCCとの共存は可能であるとしています。欠航や遅延が許されないビジネス客は、LCCではなく、むしろレガシーキャリアを選択しているようで、福岡線でANAの旅客数がやや減少しているものの、新千歳線ではANAはむしろ増加しています。この期間の旅客数の比較では、昨年が東日本大震災の影響で、旅行などに自粛ムードがあった反動による増加の面も否定できません。しかし、1.7倍、4倍はやはり需要の底上げ効果が大きいものと推測されます。
 因みに、ピーチ・アビエーションは、関空を拠点として営業、現時点で国内路線は新千歳、福岡、長崎、鹿児島、国際路線は韓国、香港があります。今秋には、さらに沖縄便、台湾便も就航する予定であり、日本の空ばかりでなく、海外での活躍も期待されています。これに合わせ、保有機数を現在の4機から10機へと増強を予定しているそうです。

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