2012年1月8日日曜日

久しぶりの経済財政白書

以前、論文(むしろレポートですね)を作成する際、引用として『経済白書』(現『経済財政白書』)をよく利用しました。特に、同白書最後についている付録に付された計量分析が私にとって結構勉強になり、計量分析の作成方法をここから学んだともいえます。計量分析に興味を持ったのも、ここからの引用が切っ掛けで、懐かしいという気持ちになります。最近は、写真撮影や山登りなどに力が入っており、経済学に対する情熱がなくなってしまったようです。しかし、今年は違います。このブログの題目を『経済問題を考える』としたこと、毎日欠かさずブログをアップすることを今年の目標にしたことなど、経済学への探求心を呼び起こすことが、今は私の目標になっています。
 昨日、内閣府のホームページからiPadのiBooksにダウンロードした『平成23年度版経済財政白書』の付録データをもとに、グラフを作成してみました。このグラフは平凡なものですが、グラフを作成したツールはかなりのものです。まず、iPadの画面を見て、ウィンドウズパソコンでエクセルを使ってデータを入力しました。次に、マイクロソフトが提供するクラウドサービスであるSkyDriveにデータをアップしました。その後、ブログ作成は、Macを主に使用していますので、MacでSkyDriveにアクセス、Macにインストールされているエクセルを使って、SkyDriveに保存されているデータをダウンロードし、グラフ等を作成しました。そのうち、グラフのみを画像ファイルとして保存、上で表示されているグラフに至っています。iPadの画面を見てでのデータ入力は結構しんどいという感じですが(タップをするとページが変わったり、拡大した画面が急に元のサイズに戻ったりしたためで、iOSの次のバージョンでは「画面固定」の設定ができるようになれば便利だと思いました)、紙媒体を全く使用していないこと、ふんだんにクラウドコンピューター(そもそも、Googleが提供しているこのブログを作成しているBloggerというソフトもクラウドです)を使用していることなど数年前では当たり前ではなかった技術を利用している点で素晴らしいですね。
上記のグラフは、『平成23年度版経済財政白書』の付録に掲載されているデータを加工し 作成したもので、実質GDPの成長率と各項目別の寄与度の推移を表しています。1980年から2011年までの時系列データで、1980年代後半バブル時代の高い成長率と、その後の「失われた20年」時代の低い成長率が顕著に現れています。今回は私自身では全く計量的な分析は行っていません。しかし、グラフをみて、以下のことが読み取れます。期間を通じて成長率は低下傾向にあること、当たり前ですが民間設備投資がぶれが大きいこと、2009年度を除き公的資本形成が2000年度以降全ての年度でマイナスに寄与していること、輸出に依存度合いが引き続き大きいことなどです。外需依存から脱却しようとして提言された『前川リポート』が懐かしいですね。結局、日本は、外需依存から脱却できず、むしろ外需への依存度を高めている気がします。2012年1月7日午前1時16分時点で、1米ドル=77円07銭、1ユーロ=98円07銭まで円高になっています。これでは、欧州の景気低迷及び円高のダブルパンチを受け、依然として続く外需依存の経済体質からみて、成長率にはかなりマイナスに寄与すると思います。週明けの東京株式市場は荒れるのではないでしょうか。
今、12月の米国の雇用統計が発表されたようです。FTを読むと、前月の8.7%から8.5%へと低下、2009年2月以来の低い水準になったことが記述されています。このブログを書いている時点では、ダウは逆に30.58ポイントの下落になっており、別の面で市場関連者を失望させるデータが発表された可能性があります。

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