『米通商代表部(USTR)は13日、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に関する米業界団体からの意見の公募を締め切った。団体からは日本の交渉参加を支持する声が多かったが、市場開放の促進を求める要望が目立った。米自動車大手は日本の交渉参加に反対意見を表明し、日本独自の軽自動車規格の廃止を求めた。(中略)確かに、軽自動車規格は、日本独自の規格です。私としては全く認識がなかったのですが、日本の自動車産業が脆弱だった時に、通産省(現「経済産業省」)がつくった究極の非関税障壁です。現在、私が乗っている自動車も軽自動車です。自家用の乗用車タイプですので、年間の軽自動車税は7,200円で済みます(自家用の貨物タイプならば4,000円です)。一方、これが軽自動車以外ならば、税額は、自動車の種類、用途、排気量などにより決めらます。グリーン化税制により排出ガスや燃費の性能に応じて、税額が変動する場合がありますが、一般的には排気量1リットル以下29,500円、1リットル超1.5リットル以下34,500円、1.5リットル超2リットル以下39,500円となっています。軽自動車と比べて、小型車、普通車の税額はかなり高いものとなっています。
一方、米自動車大手3社(ビッグスリー)で構成する米自動車貿易政策評議会(AAPC)は、自動車市場の閉鎖性を理由に、日本のTPP参加には「現時点では反対」と表明。日本独自の軽自動車規格について「優遇措置はもはや合理的な政策ではない」「日本メーカーだけに恩恵がある」とし、廃止を主張した』
上図は、わが国の乗用車生産の推移を表しています。トラックを含めて、2010年は774万台にとどまっており、かつて国内生産1,000万台を誇っていた時代が懐かしく感じます。この中で、乗用車生産に占める軽自動車の割合がが2009年に大きく上昇していことがわかります。リーマンショック後、小型車、普通車が欧米を中心とした輸出市場が低迷したことに影響を受け、大幅に減少したのに対して、国内市場向けの軽自動車販売が安定していたことに起因するものです。
私は、軽自動車に対して2つの考えがあります。一つは、日本の狭い道路事情を考えた場合、小回りのきく軽自動車が適していること、もう一つは、国内向け、海外向けに2種類の製造ラインを作らなければならなく、メーカーにとって負担になることです。どちらがベストなのか、今のところはっきりしませんが、外圧に屈して軽自動車を一方的に廃止するということは避けるべきです。製造ノウハウなど蓄積された技術は多いですし、未来世界を描いた映画に登場する自動車は日本の軽自動車のスタイルそのもののケースが多いからです。じっくりとした議論が必要とされる分野です。
(注)これには一定の留保事項があります。なぜなら私は毎年北海道へ自然探索の旅をしているからです。疲
弊する北海道の酪農現場を直に見ており、関税の撤廃もしくは引き下げという事態となれば、個別の所得補 償制度を導入し、酪農業者の雇用を維持するべきだと考えています。
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