『中国にとって、欧州は米国や日本を超える最大の輸出先だ。05年以降、輸出全体の2割近くを占めており、電機・機械や軽工業品が主力。欧州もリーマンショック以降、中国への依存度を深めており、最大の輸出先になった。日本を中心とした「もの」の流れは、私のイメージでは、大まかには日本から輸出された部品や素材が中国、韓国、ASEAN等を通じて、完成品へと加工され、最終消費地である米国や欧州へと輸出されるというものです。もちろん、日本から米国や欧州へと直接完成品が輸出されるケースもありますし、中国、韓国、ASEANで生産された完成品が日本へと輸出されるケースも多々あるが、日本の貿易収支の水準を決めているのは部品や素材の輸出額であると考えています。
その欧州を覆う暗雲に、製造現場は深刻さを肌身で感じている。
中国国内3,000社の進出企業を抱える香港工業総会の劉展灝副主席によると、昨秋以降、欧州からの受注は20〜30%、米国も5〜20%落ちており、「このままのペースだと進出企業の30%が3〜5年以内に倒産するか、規模縮小を余儀なくされてしまう」という』
今後、欧州債務危機の余波が、中国の輸出に影響を与えるという事態が起これば、中国、韓国、ASEANへの日本の輸出も低迷することが予想されます。そうなれば、足腰が弱くなっている、わが国の経済は円高、相手国の需要減のダブルパンチを受け、景気の回復はさらに遅れることとなります。
現在、政党間で消費税率の引き上げの議論が活発になされています。仮に、妥協の結果、引き上げには景気動向を踏まえてという条件がつく可能性があり、先送りということも十分考えられます。ところで、団塊の世代は1947〜1949年生まれの世代のことを指しますが、彼らが年金を本格的に受給する65歳を迎えるのは、2012年か、2013年かです。社会保障費の大幅な増加が見込まれることから、わが国は待ったなしの状況になっています。
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