全日空が世界に先駆けて導入を決定したボーイング787(ドリームライナー)がついに就航しました。驚くかな、最初の便が、私の生活の本拠地である岡山県の拠点空港、岡山空港でした。たまたまですが、就航前に岡山空港に行く用事があり、駐車場から空港ターミナル方を見ていると、787が駐機しているのに気づき、感動したということを体験もありました。今日は、ボーイング787と、わが愛する全日空について書かせていただきます(注)。
ボーイング787の就航を待ちわびていたのは、私だけではないです。50機導入を決定した全日空ばかりでなく、部品製造を担当する三菱重工業、富士重工業、川崎重工業にとっても朗報でしょう。787では何と約35%の部分を日本企業が受け持つだけでなく、主翼や胴体部などいわば主要部分を製造することになっており、これら企業とって収益にかなりのプラスの影響があると期待されます。この他にも、ジャムコ、パナソニック、ブリヂストンなどの企業が生産に参画しており、ボーイング787が「メード・ウイズ・ジャパン」と言われるのももっともです。
2012年1月6日現在、860機の受注を世界の航空会社から得ており、安定した生産へと移行できれば、日本企業の享受できる利益はかなりのものになります。また、炭素繊維を多用するなど、日本企業でしか製造できない部品も数多くあり、今までのように買い叩かれるという事態には陥らないと予想されます。上記の企業に挙げてなかったのですが、炭素繊維そのものを製造している東レなど素材を生産する企業も注目されます。特に、欧州のエアバス社も、787に対抗する新型の航空機を開発中であり、その機体にもかなりの部分炭素繊維が使用される予定であり、ますますの需要増が期待できるところです。
ところで、私は、JALではなく、ANAをよく利用します。岡山空港に初めて就航した東京便がANAであったことが始まりで、密度はうすいものの長い付き合いをしています。ほかにも、年に1度、北海道へ旅行に行きますが、それもANAを利用します。これは、マイレージを貯めだしたのが、ANAからだったこともかなり影響していると思います。でも、私にとって喜ばしいのは、全日空の初代社長に就任した美土路昌一氏が岡山県出身であることです。やはり、私はJALではなく、ANAをずっとパートナー企業として利用し続けようと思っています。
しかし、法的処理により競争相手であるJALの財務状況が好転、全日空は不利な立場に置かれています。また、LCC(ローコストキャリア)の日本進出だけでなく、そもそも存在していたレガシーの海外航空会社と比べても、同社は明らかに高コストであることは否めません。コスト削減に向け、エアバス社のA380を導入するのではなく、燃費効率を在来機種よりも20%も高めた、ボーイング社の787をいち早く導入するなど、全日空はコスト削減に向けた企業努力を着実に行っているようです。
最近の話題では、全日空は自らがLCCの航空会社であるピーチ・アビエーションを設立したり、東南アジアで話題となっているエアアジアと組んで、エアアジア・ジャパンを設立しました。羽田空港の発着便枠の増加や関西空港の有効利用など、わが国にLCCが入り込む余地は十分ある。加えて、47都道府県にほぼ全てに存在する地方空港を積極的に活用するには、LCCの活用は避けられないと考えいます。今後の航空業界は目を離せませんね。
(注)引用は、主に『週間ダイヤモンド』2011.11.19号。
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