こうした中で、輸出に対する打撃ばかりが強調されるばかりで、円高還元が広がる様子は全くみられません。ヨーロッパからの輸入品は限られているかもしれませんが、自動車、ブランド品、酒類などに円高還元の動きがもう少しあってもいいのではないでしょうか。私は、外車やブランド品には全く縁がないですが、酒類の需要はある程度あります。特にワインはよく飲みますので、これらの価格が下がれば家計にプラスへと寄与することになります。そういえばオリーブオイルは、全てがヨーロッパ産ですね。今日は、2012年6月1日付読売新聞朝刊からの引用です。記事の題目は『ユーロ安、輸出に打撃、円高還元は広がらず』です。以下引用文。
『欧州の財政・金融危機を背景に円高・ユーロ安が進んでいる。電機や自動車など輸出企業は、これまでの対ドルでの円高打撃に加え、対ユーロでも円高が業績に与える悪影響に懸念が広がっている。一方、国内で円高メリットを感じられる機会は限られているのが現状だ。(中略)輸入企業に的を絞った記事の引用になっていますのでご了承下さい。因に、主な輸出企業のユーロ安による営業利益の減少は右表で示しています。日産自動車の影響が「ゼロ」というのは面白いです。同社では、欧州での現地生産体制が進み、部品の現地調達比率も高いことが理由にあるそうです。読売新聞の記事には掲載されていませんでしたが、デジタルカメラ等の輸出でキャノンやニコンがユーロ圏で儲かっているという話を聞いたことがありましので、ホームページで調べて表に付け加えました。両社ともに1円の円高で営業利益が50億円前後減少するという予想が出ています。もっとも、6月1日の株式市場では、キャノンが大幅下落なのに対して、ニコンはプラス0.18%の上昇と小幅ながら上げています。両社の収益源にやや差があるのでしょうか。株価が全く反対の動きをするのは面白いですね。
■輸入企業 一方、国内消費者にメリットとなる円高差益の還元はあまり広がっていない。
理由の一つは、自動車や宝飾品などでは「安易な値下げがブランドイメージを損なう恐れがある」(百貨店関係者)と慎重な見方が多いことだ。輸入車販売会社の多くは「短期的な為替変動による価格改定はしない」(メルセデス・ベンツ日本)などとして、値下げに否定的だ。昨年8月、原料高を理由に時計や宝飾品の国内小売価格を値上げした仏ルイ・ヴィトンの日本法人「LVJグループ」も「当面は値下げの予定はない」としている』
そして、本論に戻ります。今、消費税率の引き上げに関して国会等にて活発な議論がなされています。私は、総論として消費税率の引き上げには賛成しています。しかし、円高のメリットが幅広く還元されるように、消費税ではなく、付加価値税の導入に着手するべきであると主張します。輸入業者や輸入品を取り扱う業者が暴利を貪るならば、その付加価値へと課税するというシステムをつくれば、円高のメリットが十分に還元されるのではないかと考えているからです。円高のデメリットが強調される株式市場ですが、大量の化石燃料を輸入している電力会社にもメリットはありますし、外食産業にとってもプラスでしょう。でも、このメリットが国民全体に広がるシステムをつくらなければなりません。その切り札になるのが、消費税の廃止と、その代わりとなる付加価値税を導入であると信じています。付加価値税についてはやや勉強不足の感は否めませんが、今後、付加価値税について詳細に追っていくつもりです。
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