2012年3月1日付日本経済新聞Web刊に『「シェールガス」革命は本物、(ダウ・ケミカル)大型投資決断』という記事が掲載されていましたので紹介します。やはり、国土が広いということはいいですね。資源にせよ、土地にせよ、現在はなくても、将来的には色々な可能性を秘めているという点でメリットがあります。以下引用文。
『米製造業の復活を支える新型天然ガス「シェールガス」。その恩恵を最も受けている産業の1つが、ガスを燃料や原料として使う石油産業だ。昨年、米国内にエチレン生産設備などに約50億ドル(約4000億円)を投資する計画を発表した米石化大手ダウ・ケミカルのジム・フィタリング副社長に、投資の狙いやガス市場の見通しなどを聞いた。米国で、エチレンの設備増強が進められている一方で、わが国では設備廃止の方向へと動いています。2012年6月10日付日本経済新聞朝刊に『エチレン設備廃止、三菱ケミカル、鹿島の1基』の題目の記事が掲載されていました。これはやむを得ないことです。日本国内では、汎用品分野では、国際競争力がなく、付加価値の高い製品へと生産をシフトしなければなりません。炭素繊維大手の東レですら、欧州や韓国の設備を増強するのが、わが国の厳しい投資環境です。米国では、製造業復権することで、雇用環境が安定し、景気回復へと結びつけばと思っています。そして、米国経済が再び世界経済にとっての機関車の役割となってくれればプラスでしょう。
--米国で久々の大型投資を決めた理由は。
「米国の競争力が高まっているためだ。ほんの数年前まで、我々が米国でこれだけの大型投資を再びすることになるとは、社内の誰も想像していなかったし、将来、米国から製品を輸出することになるとも思っていなかった。21世紀に入ってから最初の10年間はむしろ、業界全体が米国内の設備の合理化にまい進していたぐらいだ」。
「だが、シェールガスの登場によって状況は変わった。(エチレンの原料になる天然ガス由来の)エタンのコストは中東ほどではないが、コスト競争力という意味で、いまや米国は中東の次に高い。ドル安や金利安も、大きな投資を決断をする上で背中を押した」』
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