大手ゼネコンの業績悪化について記述している記事が『週刊ダイヤモンド』2012年5月12日号に掲載されていましたので紹介します。記事の題目は『復興はバブルでも収益は低成長、苦戦するゼネコン業界の今後』です。以下引用文。
『「毎週のように関東に人集めに行かなければならない」この資材と人件費の高騰により、ゼネコンの売上高が増加するものの、営業利益の増加につながっていないという構図が見えてきます。この上乗せされた要素価格の上昇が、新たな有効需要を生み、波及効果をもたらせば、それでいいのかもしれません。しかし、現在の日本経済を考慮すれば、震災のマイナスの影響はあったものの、復興需要の拡大により経済が上向いているという状況ではなさそうです。それでは、1999年からの公共事業の推移をみてみます。内閣府発表の『国民経済計算』の公的固定資本形成は、1999年より大幅に削減され、2011年には1999年の6割程度の水準にまで減少しています。もっとも、2009年にはリーマン・ショックによるマイナスを緩和するため、2011年には東日本大震災の復興のため、逆に増加しています。しかし、公的固定資本形成は趨勢的には減少しており、今後は、医療や年金などに費やされる予算が大幅に増加、新たな資本形成ではなく、既存のインフラの維持管理で、公共事業がらみの予算は全て費消される可能性は高いといえます。
東北地方の建設会社社長はこうぼやくように、被災地の労働力は今、極めて逼迫している。大規模にリストラによって社員や職員が大幅に減っていたとろこに、いきなり復興需要が来たのだから対応できるはずもない。
岩手県、宮城県、福島県の東北3県中心に、鉄筋工などの職人はもちろんのこと、交通誘導のガードマンに至まで人手不足が蔓延しているのが現状だ。
当然、賃金も高騰し、建設会社の収益を圧迫する。被災地では、採算割れの懸念から、誰も工事に入札しない「不調工事」が激増。昨年12月には宮城県の土木工事で42%、福島県でも51%もの入札が不調に終わっているほどだ。
事態を重く見た国土交通省は今年2月、被災地3県を中心とした人件費や資材費高騰のための措置を取ることを決めた』
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