アップルとグーグルの代理戦争とも言われる、アップルとサムスン電子の訴訟合戦の行方が気になるところです。アップルは、サプライヤーとしてサムスン電子をはずす方向で動いているようですが、実力を付けた韓国サムスン電子からの脱却は完全にはできないそうです。特に、iPhoneの頭脳に当たるA5チップ、最新型のiPadに搭載されているA5Xチップなどはアップルの独自に設計したものですが、どうもサムスン電子に生産を委託しているようです。因みに、このブログを作成しているMacBookAirに搭載されている256MBのSSDもサムスン電子製です。ウェブの情報ですが、このAirが発売された時、サムスン製、東芝製のどちらのSSDの方が性能が高いのかというレビューを目にしました。結論は覚えていませんが、私のAirの稼働率は高く、非常に高い満足度を得ていることから、少なくともサムスン電子におけるSSDの生産能力は高いものと判断されます。
残念ながら、コンシューマーサイド、特に電子機器、電子部品の分野ではサムスン電子の方が、日本企業よりも競争力があり、米企業の中でもいまや最強ともいわれるアップルとガチで訴訟合戦を繰り広げる点は、その競争力の強さを物語っているともいえます。鉄鋼、造船などの分野では日本企業は既に競争力を失いつつあり、半導体製造装置、シリコンウェハー、製造機械、炭素繊維などさらに川上に位置する業種でなければ、韓国企業には対抗できないのが実情でしょう。幸いなのは、上記業種において日本企業は依然として強い競争力を維持していること、最大の輸出品である自動車では、トヨタ、ホンダが世界市場を引っ張っている点です。この強さを端的に表しているのが、日本は韓国に対しては依然として貿易黒字であるということです。逆の意味で、日本にとって、韓国企業は大切な貿易相手でもあることは忘れてならない事実でしょう。両国間にある領土問題を速やかに解決し、お互いに感情的にならないで対処することが求められます。
そうした中で、国債の格付けに関して厳しい現実を見せつけられるニュース報道がされました。2012年9月7日付のNHKのニュース番組「ワールド Waveトゥナイト」によれば、フィッチ・レーティングスが、韓国の国債の格付けを「A+」から「AA-」へと1段階引き上げたそうです。引き上げの理由は、順調に経済成長を続けていること、すぐに北朝鮮との衝突が起きることは現実的ではないということです。逆に、フィッチ・レーティングスは、財政再建の取り組みが遅れていることを理由に、2012年5月に日本の国債の格付けを「AA-」から「A+」へと1段階下げたばかりで、今回の韓国の国債の引き上げにより格付けが逆転したこととなります。2012年8月に、ムーディーズでも韓国の国債の格付けが引き上げられ、現時点では日本と同じAa3となっているそうです。ムーディーズは、日本の国債をネガティブとしている可能性があり、今後、ムーディーズの格付けでも逆転することが予想されます。概算要求が、ついに100兆円の大台に乗りました。震災復興への予算配分が4兆円にも上ったことが増大の要因ですが、無節操な財政拡大は歯止めを掛けなければ破綻は必至です。ギリシャ、スペインと同じように、財政を健全化するに当たって真っ先にカットされるのは公務員給与と公務員の人員削減です。そのことを踏まえているのかどうかは不明ですが、それとも取れるとき、出来るだけ搾り取るというのが、公務員の姿勢なのかもしれません。とにかく、韓国と日本の格付けの逆点現象は、実態にかなっているというのが私の意見であり、予算編成をする方々も、この事実を真摯に受け止める必要があると思います。
右図は、OECDのホームページ掲載のデータから作成した、日本と韓国の実質経済成長率と失業率の推移を示しています。2003年以降のデータですが、成長率、失業率ともに、韓国経済のバフォーマンスは日本経済を上回っていることが分かります。しかし、韓国経済が無敵であるとはいえません。死角はあります。例えば、産業構造が依然として日本からの輸入に頼っています。また、私が記憶している限り、少なくとも科学分野でのノーベル賞の受賞はなく、特に物理学賞などがない点からも基礎分野での研究活動は立ち後れていることが推測されます。日本人では、戦後間もない1949年に湯川秀樹氏がノーベル物理学賞を受賞したのを皮切りに、1965年には朝永振一郎氏、1973年に江崎玲於奈氏が受賞、近年ではノーベル賞の受賞は恒例行事にもなっています。鉄鋼、造船、半導体などの韓国企業の躍進は目立ちますが、日本の企業が長年培った技術なくしてあり得なかったことでしょう。次は、韓国の順番です。韓国発の技術が世界をリードする時代です。米アップル社でも独自性が問われました。そして、サムスン電子のGalaxyS3に搭載されているアンドロイドOSは、グーグルが開発したOSであり、グーグルは広告収入を得るために、OSの使用を開放しているだけです。現時点では、韓国が独自性を発揮し、世界市場で活躍することは、日本の存在なくして不可能であると私は考えており、所詮、日本の二番煎じをビジネスモデルでカバーしているというイメージが強いといえます。ビジネスモデルの分野で長じているのは、当然のごとく米企業です。米企業と韓国企業のスタイルは完全にバッティングしているとともに、両者が衝突する場面が、今後増えることが予想されます。
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