違法ダウンロードの刑罰化が導入されるとのことです。私の場合、音楽コンテンツは、もっぱらレンタル店でCDを借りてきて、合法的にコピーをして個人的に楽しんでいるとろこです。因みに、合法的にレンタルをしてきたCDであったとしても、多人数で使い回した場合などは違法行為になるそうで、あくまで家庭内での利用に限定されることとなります。そして、特に気に入ったアーティストがみつかれば、お金を払ってCDやDVDを購入するか、アップルのiTunesなどから合法的にダウンロードします。特に、私の場合、iPod Touchを持っている関係もあり、ミュージックビデオなどで音楽を視て楽しむことが多くなってきています。iTunesで多数のミュージックビデオをダウンロードし、私のiPod Touch64Gには100曲以上ものミュージックビデオがインストールされています。
残念ながら、iTunesでの日本のアーティストのミュージックビデオは限られています。事実、私が購入した100曲余りのうち、日本のものは10曲程度にとどまっています。日本のアーティストも折角、素晴らしいミュージックビデオを制作しているのですから、世界の音楽市場へと目を向けてほしいという印象を持っています。因みに、今、私が、日本のアーティストでよく聴いているのは、"いきものがかり"です。NHKのオリンピック応援歌「風が吹いている」は、ロンドンオリンピックで日本の選手が活躍しているシーンとオーバーラップして感動を呼びます。早々にシングルCDを購入、iPod Touchにインストールして楽しんでいます。そして、是非とも「風が吹いてる」のミュージックビデオを入手したいと思っているとろこです。しかし、"いきものがかり"のミュージックビデオは、アップルのiTunesでは購入できません。どうすれば入手できるのかということで途方に暮れていました。特に、YouTubeで、「風が吹いている」のフルバージョンを視聴してからは、気持ちが抑えられなくなってきました。
ところが、BSのWOWOWで定期的に放送されているMusic Joyfulという番組があり、それを全て録画していたとろこ、この「風が吹いている」のミュージックビデオのフルバージョンが偶然ですが撮れていました。早速、ウォークマンのZシリーズに、このミュージックビデオを転送し、今は、ウォークマンで「風が吹いている」のミュージックビデオを楽しんでいます。とろこで、入手困難とも言われていた"いきものがかり"のコンサートチケットがついて入手できました。それも、武道館のコンサートです。やっぱり、LIVEが一番ですね。
ところで、日本の音楽業界の閉鎖性に関する記事が『週刊エコノミスト』2012年8月14日・21日合併号に掲載されていましたので紹介します。私が、これと思ったアーティストのミュージックビデオが入手できず、フラストレーションが溜まっていたところに、この記事です。記事の題目は『違法ダウンロード刑罰化に潜む音楽業界の事情』(注)です。以下引用文。
『このような日本の閉鎖的な音楽配信市場で今、大きな環境変化が起きている。モバイルにおけるフィーチャーフォン(俗に「ガラケー」と呼ばれる従来型の携帯電話)からスマートフォン(以下、スマホ)への移行である。フィーチャーフォン時代のモバイル向け音楽配信では、通信キャリアがインフラやコンテンツサービス、課金・決済などを一元的に管理していたため、ユーザーはストアや楽曲の探索から購入までを簡単に行うことができた。このキャリア主導の音楽配信プラットフォームは、シンプルで使いやすく優れたユーザーインターフェースを実現し、「着うた」などのヒットコンテンツを生み出すことに成功した。しかし、スマホにはキャリアのポータルが存在しない。ユーザーは無数にあるサービスの中からストアや楽曲を探し出し、購入までの煩雑な作業を自力で行わなければならない。また、キャリアや端末ごとに楽曲のファイル形式が異なっていたり、端末によっては対応していないサービスが存在したりする。スマホ向け配信サービスのユーザーインターフェースは、フィーチャーフォン向けに比べて大きく劣っているのである。これはフィーチャーフォンとスマホのインターネットサービスの根本的な仕組みの違いにより生じる問題である。その結果、レコード会社をはじめとする音楽関連企業はスマホでのユーザー囲い込みに失敗し、10年、11年と2年連続の前年割れとなる配信市場の低迷を招いた』
記事を読んでいると辟易してきます。音楽産業の発展は、そもそもアーティストとユーザーに最大の恩恵がなければなりません。間で仲介する企業なんて必要ないですし、携帯電話のキャリアが支配するというのは異常事態といっても過言ではありません。そして、最近では、アップルのiTunes Matchが、年内に日本でもサービス開始とも言われましたが、著作権などの問題で頓挫しているということをウェブの記事で読みました。iTunes Matchとは、アップルが米国で既に開始している有料の音楽配信サービスです。大まかに言えば、CDなどからiTunesにインストールした楽曲が、iTunesの曲目リストとマッチすれば、当該の音楽データをクラウド化し、iTunesで購入した楽曲と同様の扱いができるようになるというサービスです。特に、日本でも、iTunes in the cloudのサービスが開始されてからは、キーとなるサービスであると考えています。震災や洪水などが多くなっている時代です。思い出のある楽曲をクラウド上で保有できることは、意味のあることだと日々感じています。
違法なダウンロードを禁止するのは望ましいといえます。これで、音楽業界は低料金、かつ利便性の高いサービスを消費者に対して提供する義務が発生したことを意味します。つまり、有料での入手経路の統一化と特定の企業による囲い込みは防止するべきであると考えています。そして、囲い込みは、取り方によれば独占禁止法に觝触する行為ともいえます。特に、ファイル形式が相違することで、音楽データが別の端末で読めないということはあってはなりませんし、これは音楽という現代の芸術活動への冒涜です。リスクはありますが、日本のアーティストは、閉塞感のある日本の音楽産業のビジネススタイルから、アップルやアマゾンなどの汎用性が高く、国際標準のサービスへと脱却する必要があると切に思っています。
(注)八木良太(尚美学園大学専任講師)。
0 件のコメント:
コメントを投稿