今日は、中国の国家統計局のホームページにアクセスし、初めてデータを入手してみました。残念ながら、長期の時系列データがどこに掲載されているのかが分からなかったため、2011年12月〜2012年8月までのデータとなっています。因みに、入手したデータは、中国の製造業購買担当者指数(PMI、Manufacturing Purchasing Manager Index)で、中国の景況感を示す代表的な指数だそうです。PMIとは、製造業の購買担当者の生産意欲などのアンケート調査を行い、その結果を指数化したもので、この指数が50を超えると景気拡大を、そして50未満ですと景気後退であることをそれぞれ意味しています。
中国のPMIに関する記事が2012年9月2日付山陽新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。PMIはリーマン・ショック後の08年10月に50を割り込んだ後、欧州債務危機を背景に11年11月に2年9カ月ぶりに50を割り込んだばかりです。8月のPMIも再び50を下回るという事態となっており、世界経済の減速傾向がはっきりしてきたようです。インドも既に経済成長の鈍化していることが判明しており、日本経済への影響が心配されます。記事の題目は『中国景況感50割れ、9カ月ぶり、悪化は4カ月連続』です。以下引用文。
『【北京共同=清水敬善】中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日に発表した8月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.2と、4カ月連続悪化し、景気判断の節目となる50を2011年11月以来、9カ月ぶりに割り込んだ。PMIが50を下回ると、受注や生産の減少による経済縮小を意味する。欧州債務危機に伴う輸出鈍化と不動産市場の引き締め策などによる内需の不振が要因。けん引役である中国の景気悪化で世界経済の先行きに懸念が広がるのは必至だ。中国人民銀行(中央銀行)が近く追加の金融緩和を行うという観測もある』
詳しく記事を読んでいると、輸出の受注を示す指数が、既に3カ月連続で50を下回っているとのことで、外需の弱さが特に鮮明となっています。もっとも、中国は、外需というよりも、内需、特に設備投資に過度に依存した経済体質です。固定資本形成が国内総生産(GDP)の5割を占めています。確かに、このいびつにまで肥大化した固定資本形成によって、世界の工場としての地位に上りつめた今の中国があります。今後、工場設備の稼働率の低下は確実視されており、不動産バブルよりも、工場設備のバブルの影響の方が深刻であると私は考えています。対策としては、中国国民全体の消費需要を活性化されるため、日本で導入されたエコポイントのような、消費支出への補助金政策が効果的であると思います。とにかく、今の中国は、GDPの規模に比して消費支出の弱さが目立つ経済体質にあります。それからの脱却こそが、中国経済のさらなる躍進につながるはずです。
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