2012年4月15日日曜日

ビッグマック指数と消費税

2012年4月14日の『週刊ダイヤモンド』に「ビックマック指数」に関する記述がありました。記事(注)によると、英国の経済誌「エコノミスト」が「ビックマック指数」を毎年発表しており、各国のマクドナルドでより販売されているビッグマックの価格を比較することで各国の通貨が割高なのか、割安なのかがわかるとしています。私も各国の物価水準を把握するため、新聞やニュース報道をくまなくチェック、あげくの果ては海外ドラマからも入手するまでにもなっています。この「ビックマック指数」が有用ならば、この苦労を省くことができ投資判断をする際にも参考になると思い、早々にマクドナルドに行き、ビックマックの単品価格をチェックして行きました。

その時、私は、ビックマック、サラダ、アイスコーヒーのセットメニューを注文、ビックマックの単品価格は、メニュー表で確認しました。写真はその時のものです。写真では読み取りにくいのですが、ビッグマックの単品価格は確かに320円となっており、上記の記事のデータと合致することがわかりました。そして、マクドナルドに行った最大の理由は、この320円の価格が消費税を加えたものか、そうではないかということを確かめるためでした。
つまり、消費税や付加価値税が日本では5%であるのに対して、デンマークなどヨーロッパ諸国には25%にも達する国もあることです。ならば、直接データを比べるのは、意味がないことになります。2012年2月22日付『国別製品別の価格差』のブログでも記述したように、この付加価値税が高いことが影響し、ヨーロッパでのAppleの製品が、米国や日本と比べて割高になっていることが判明しました。ビックマックでも同様のことがいえるのではないてしょうか。
右図は、上記で挙げた「ビッグマック指数」の主要国別にグラフにしたものです。スイスとブラジルが突出して高いこと、英国が付加価値税が高い割に、日本より安いということがわかります。スイスにおいてビックマックが高いのは、当然のことながら、一人当たりのGDPが7万ドル程度まで達しており、この所得が水準により人件費が占める割合が総じて高いことに起因したものと考えられます。一方、ブラジルは、所得格差が非常に大きく、ビッグマックを日常的に購入することのできる人々の数が限られていることが原因ではないかと思っています。一方、英国のビッグマックが安いのは、課税・非課税の対象が非常に煩雑であり、以前はテイクアウトに対して非課税であったことが起因しているのはないかと推測しています(現時点では課税・非課税は不明であり、課税対象としたことから、イギリス国民の間で論争が起こっているという記述を読んだことがあります)。
 以上のことから、「ビックマック指数」を参考にするに当たっては、対象の国の付加価値税(もしくし消費税)の水準と所得水準を考慮に入れる必要があることがわかります。
(注)記事の題目は「ビックマック指数、ビックマックの価格を比較すると、その国の通貨が割高か割安かがよかる」。

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