2012年10月21日日曜日

DRAMの価格下落と進む世界市場での寡占化

 DRAMの世界シェアで、韓国勢が勢いを増しています。そのあおりを受けて、台湾のDRAMメーカーのリストラが加速しています。これは、パソコン用のDRAMからスマートフォンへのシフトが遅れたことに原因にあるようです。DRAMでは、サムスン電子、ハイニックス半導体が6割以上のシェアを握っており、世界市場も寡占化の方向へと向かっています。ここは、エルピーダを買収した米マイクロン・テクノロジーに期待したいとろこです。

 ところで、家電量販店の店頭で販売されているパソコン用のDRAMは何度も見たことがありますし、実際に手に取って、自分のパソコンに装着したこともあります。10年以上も前、1GBのパソコン用のメモリーは結構高く、その時の価格は数万円だったと記憶しています。最近では、パソコン用のDRAM価格は暴落しており、パソコンに装着するメモリーは4GBが当たり前になっています。今、家で使用しているノートパソコンはいずれも4GBのメモリーを搭載しており、ハングアップなどもなく稼働しています。以前は、メモリー不足などでパソコンの処理速度が低下することが頻繁にありましたが、今ではそのようなことは、少なくとも家のパソコンでは全くなく、快適なパソコンライフを送っています。次に購入するパソコンのメモリーは、是非とも8GB以上を搭載し、64ビット化しているOSの能力をフルに生かしたいと思っています。

 一方で、スマートフォン用のメモリーがどのような形態しているのか全く不明です。私は、スマートフォンを4台所有していますが、何れも現役で稼働しています。どれかが故障して動かなくなったら、1台を壊してみて、その中身をチェックしたいと考えています。もっとも、スマートフォンはパソコンとは異なり、一番古いiPhone3GSですら、最新OSに対応しているとともに、起動時間の遅さ以外は、スムーズに動いており、製品としての完成度の高さに驚くとともに、当分は壊れそうにないという印象を持っています。因に、歴代iPhoneに搭載されているメモリー(ストレージ用のメモリーではなく、パソコンのメモリーに該当するもの)は、iPhone3GSは256MB、iPhone4、iPhone4Sは512MB、iPhone5は1GBとなっています。iPhoneのメモリーは、アンドロイドの携帯と比べて少ないことに特徴があります。これは、アンドロイドのアプリがJAVAを使って作成される一方で、iPhoneのアプリがC言語を使って作成されていることに差があると、勝手ながら考えています。

 スマートフォンやタブレット端末が、パソコン市場を席巻していることは一般に知られていることです。企業ユーザーがパソコンを買い控える一方で、個人ユーザーはスマートフォン、タブレット端末市場へと流れており、パソコン市場が伸び悩んでいるのが実情です。そして、企業ユーザーもタブレット端末に興味を持ち始めており、医療や教育現場でiPadが使われているシーンを、度々テレビで観ます。こうした中で、台湾のDRAMメーカーが苦境に陥っているようです。台湾DRAMメーカーの記事が2012年10月15日付日本経済新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。記事の題目は『台湾DRAM、リストラ加速。価格下落続き、スマホシフト遅れ』です。以下引用文。

 『【台北=山下和成】台湾の大手DRAMメーカーが従業員削減などリストラを加速している。供給過剰でDRAMの価格低迷が長引き、赤字体質を改善できない。これまでのパソコン向けからスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などモバイル向けへの製品シフトも遅れている。韓国勢との格差は広がるばかりだ。
 2000年代半ばまで台湾経済のけん引役だったDRAMメーカーだったが、価格の大幅な下落やパソコン向けの需要減退で赤字が慢性化。従業員の大幅カットや業態転換の動きが出ている。台湾のIT(情報技術)産業は米アップルの「iPhone(アイフォーン)5」などスマホ需要に沸くが、パソコン向けが柱のDRAMはこの流れから取り残されている』
 この記事を読んでいる限り、16GB、32GB、64GBといったストレージではない、スマホのメモリーはDRAMでもないようです。サムスン電子は、DRAMで圧倒的なシェアを維持している上、スマホ用のメモリー、そしてストレージの代わりとなるフラッシュメモリーの分野で絶大な力を持っていることが伺えます。そして、iPhone5が発売されてから、米アップル社との訴訟合戦の結果、日本製の比率が高まっているとはいえ、肝心のCPUの製造は、やはりサムスン電子だそうです。ロットの大きさから、供給メーカーが限られるというのが、スマホの半導体需要であるといえます。期待されるのは、フラッシュメモリーを製造している東芝、エルピーダを買収した米マイクロン・テクノロジーくらいです。エルピーダの敗因は提携先を台湾メーカーに求めたからだと考えてもよさそうです。

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