『法人企業統計調査は、わが国における営利法人等の企業活動の実態を把握するため、標本調査として実施されている統計法に基づく基幹統計調査です。以上が法人企業統計調査の概要です。詳しくは財務省のホームページをみてください。そして、『週刊東洋経済』2012.1.14号に企業収益の増加を背景に日経平均が1万1,000円台となる予測をしている記事がありしまたので引用します。記事の題目は『12年は企業業績が回復し日経平均は1万1,000円へ』(注1)です。以下引用文。
本調査には、営利法人等を調査対象としたその年度における確定決算の計数を調査する「年次別調査」(昭和23年調査開始)と、資本金、出資金又は基金1,000万円以上の営利法人等を調査対象とした四半期ごとに仮決算計数を調査する「四半期別調査」(昭和25年1月〜3月期調査開始)があり、全国の財務局及び財務事務所等を通じて調査票を郵送し、自計記入を依頼する方法により調査を行っています。平成15年度調査からはオンラインによる提出も可能となっています。
なお、平成20年度調査から「金融業、保険業」を調査対象に含めることになりました』
『2011年の日経平均株価は東日本大震災後に8,000円台に急落。夏場に1万円台に回復したが、再び反落し、8,000円台の安値でもみ合う展開が続いた。この背景には、①円高傾向の一服感、②米国景気の復調、③欧州債務危機の深刻化の回避の3つの要因があるとしている。①の円高については、QE2が実施された後、ドルが大量供給されたことで、市場でインフレ懸念を生じ、金利が上昇したという実情がある。米国金利の上昇は円ドル金利差の拡大を生むため、QE3が実施されたとしても円高を見込みにくいということです。②の米国経済の回復は、米国の2つのアキレス腱である雇用と住宅に改善がみられることです。雇用関連では新規の失業保険申請件数がリーマンショック前の水準にまで戻ったこと、住宅関連では低金利と住宅価格の下落が後押しして住宅着工件数、住宅価格指数などの指標も底を打ったとしている。③のユーロ債務危機では、ドイツのPMI(購買担当者指数)などが予想を上回るなど景況感が底堅いこと、イタリアのプライマリーバランスが黒字であり、財政危機に陥る可能性は低いこと、仮に債務危機が深刻化したとしても日本経済への影響は限定的であることを理由に上げている。①②③とも日本企業の収益にはプラスに寄与する要因です。もっとも、③についてはやや疑問を持っています。ユーロ高により企業収益の減少を指摘するものや、ユーロ危機が中国へと波及し、日本企業の輸出を減少させるという記事もあります。先日もユーロ加盟国の国債格付けの引き下げがあったばかりです。ユーロ債務危機はどちらに転ぶかわかりませんので、要注意だと考えています。
市場のコンセンサスでは、12年3月期の上場企業の業績見通しは前期比2ケタ減益と予想される。一方で13年3月期は同3割増益が見込まれる。こうした業績回復が下支え要因となり、12年の日経平均は8,000円を底値に、1万1,000円の上値を目指す展開となるとみている』
株価の予想とは、あくまで予想ですので、はずれてる可能性も十分にあります。逆に日本の株価が底割れする可能性だってあります。もっとも、私自身は、楽観的にみています。下のグラフは、法人企業統計と日経平均株価の推移を表しています。確かに、企業の利益と株価は連動しているようにみえますし、今後増益が見込まれるのならば、年末にかけて株価は上昇するのではないでしょうか。震災ショックとタイの洪水に円高というトリプルパンチを受けたのが昨年です。これ以上のショックはないでしょう。残念ながら円高により企業の海外進出は拍車がかかり、国内の空洞化が進むかもしれませんが、海外へと進出し、さらなる国際競争を身に付けることができれば、企業収益は増加すると思います。とにかく、日本、日本国民、そして日本企業にとって昨年が厳しすぎましたね。
(注1)広木隆(マネックス証券、チーフ・ストラテジスト)。
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