トヨタ自動車の2012年1月の生産台数は、国内生産29万6千台(対前年同月比26.3%増)、海外生産41万9千台(同10.4%増)、総生産台数は71万5千台を記録、前年同月比で16.5%増加しています。系列であるダイハツ、富士重も好調に推移しており、トヨタ系列3社の合計では、前年同月比で17.8%も増加しています。一方、トヨタ系以外の5社の合計は前年とほぼ同水準の73万4千台にとどまり、トヨタ系の躍進が目立つという結果となっています。トヨタ系3社の合計は86万台であり、単純に年率換算すれば1,000万台超となります。もっとも、ダイハツなどの軽自動車を含まないのが、世界生産台数の順位になります。ダイハツなどが生産する軽自動車を除いた生産台数を年間で900万台超へと増加させることがトヨタ自動車の今年の目標であり、1月の自動車生産は、同社にとって目標に向けた順調な滑り出しとなりました。
しかし、トヨタ自動車の業績にとって気がかりな要素もあります。HV車が国内で順調にシェアを伸ばす中で、HV車の海外でのシェアが米国でも2%にとどまっているということです。2012年2月26日付日本経済新聞朝刊に掲載された記事に、好調に業績を伸ばしている独フォルクスワーゲンに関するものがありました。記事によれば、同社はユーロ安を背景にしているのではなく、TSIと呼ばれるダウンサイズ技術をもって販売台数の伸ばしているとのことです。ここでTSIとは何かということになります。以下記事引用。
『従来のエンジンを小型化し、ターボチャージャーという馬力を増す装置を組み合わせてハイブリッド車並の走りと燃費が実現できる仕組み。コストも格段に安くてすむ』ハイブリッド車は確かに優れた技術です。車技術の集大成だともいえます。電気自動車はこれよりも単純ですし、TSIもハイブッリドほどの技術はないでしょう。しかし、結果として燃費が変わらないのならば、コストが安いTSIの方が優れているともいえます。ハイブリッド車もガラパゴスの可能性も出てきています。もっとも、本命は、電気自動車であることは変わらぬ事実であり、ハイブリッド車に搭載されているモーターの技術が電気自動車の製造に結びつけば、トヨタ自動車の努力も無駄にはならないでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿