EU統計局が四半期別の債務データの公表を始めました。今回公表されたのは2011年9月末(第3四半期)のもので、早速、ユーロ統計局のホームページにアクセス、データをチェックしてみました。
右表は、EU加盟主要8ヵ国のGDPに対する債務残高の比率を示したものです。第1四半期との比較では、表中の8ヵ国全ての国で上昇しているのに対して、第2四半期との比較では国によって差が出ています。ドイツ、フランス、イタリアの3ヵ国で低下がみられる一方で、スペインが変わらなかったものの、ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、イギリスが上昇していることがわかります。特にギリシャが4.4%、ポルトガルが3.6%、アイルランドが2.6%それぞれ上昇するなど、既に債務残高の比率が100%を上回っている国々において、財政状況のさらなる悪化が確認される結果となっています。しかし、幸いなのは、EU加盟国の中で第4 位(2009年時点)、ユーロ加盟国の中で3位の経済規模を有するイタリアに改善傾向がみられるのは明るいニュースです。
今後、発表される第4四半期のデータでは、ギリシャの債務削減交渉の結果が反映されること、ポルトガル等などで債務削減を積極的に進める方向で動いていることを勘案すれば、さらに低下する可能性があり、ユーロ債務危機は山を越したのように思われます。それを反映しているかどうからわかりませんが、株式相場はここのところ堅調に推移しており、ユーロ相場も上昇傾向にあります。
ユーロ圏の失業率が2011年12月の失業率が10.4%と高止まりしているなど、しばらくの間は予断は許さないものの、同年12月の米国の失業率が8.3%と前月比0.2%低下したこと、NYダウ平均がリーマンショック以前の水準にまで回復したことなど米国経済に明るい兆しがみてえてきています。旺盛な新興国の経済成長も引き続き期待できることから、ユーロ債務危機はやや底がみえた感はあります。
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