図は、1990年からのわが国の液化天然ガスの輸入量の推移を示しています。クリーンなエネルギーという理由で、国内での使用量が増加、特に、2011年に限れば、前年比12.1%増、7,853万トンに達しています。1990年の3,457万トンの2倍以上にまで増加しており、図からも、わが国のエネルギー供給における天然ガスの比重が高まっていることがわかります。特に、2011年の貿易収支が31年ぶりの赤字になった一因には、天然ガスの輸入量の増加が一因にあるといわれています。因みに、2010年のデータですが、液化天然ガスの輸入額は3兆3,718億円で、輸入総額60兆7,650億円の5.5%にも及んでいます(財務省)。
確かに、天然ガスへの依存は、従来型の天然ガスに加えて、近年の技術革新によりシェールガスが発掘が可能となり、両者を合わせた埋蔵量が膨大なこと、地理的に輸入先が分散していることなど、長期的な視点に立ったエネルギーの安定供給にはプラスであると考えれます。しかし、短期的には、中東という地理的リスクがあります。仮に、イランがホルムズ海峡封鎖を封鎖すれば、日本の液化天然ガスの輸入量のうちカタール(全輸入量に占める割合15%(注1))、UAE(同7%)から輸入がストップすることとなります。特に、怖いのが、液化天然ガスの備蓄量です。2012年2月22日日本経済新聞朝刊の記事(注2)によれば、原油の備蓄は官民で200日分確保されている一方で、液化天然ガスには備蓄義務がなく、電力各社の在庫は2〜3週間分しかないそうです。これは22%もの輸入を失えば、数週間中に天然ガスの在庫がなくなることを意味します。

安定した電力供給は、経済活動には不可欠な要素です。中国では電力の供給が慢性的に不足していることを聞いたことがあります。日本企業が、円高という逆風の中でも、国内での生産にこだわった理由の一つに、品質が高く、安定した電力供給を受けられることがあったといえます。この点においてもイニシアチブが失われれば、国内の空洞は避けられません。官民一体となった電力供給のあり方を早急にまとめ上げる必要があるでしょう。
(注1)データは通関統計。
(注2)記事タイトルは、『「エネルギーを問う」、LNGの死角、発電、ガス頼みの危うさ』。
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