
しかし、フランスの国民議会(下院)の現有勢力はこのような結果になっていません。これは、大統領選の時期がフランス議会選挙とズレているからだけではありません。仮に国民戦線が大統領選と同様の得票率を得たのならば、総議席のうち577のうち103議席を得ることとなります。そうすれば、首相の選出に当たっては、移民排斥を主張する政党の意向を無視することはできず、現時点で、とんでもない事態になっていることでしょう。これからは私が聞いた知識です。フランスの国民議会選挙は、大統領と同様に、第1回目の選挙で過半数を得られなかった場合、決選投票になるそうです。そして、この決戦投票で、仮に国民戦線と社会党の決戦投票となった場合は、国民運動の方が社会党側を支持し、逆に国民戦線と国民運動の決戦投票となった場合は、社会党が国民運動側を支持することが行われているそうです。結果、国民戦線は第1回目の得票率ほどに議席を得ることがないのです。
フランスの場合、極右が議会を席巻する事態を回避するための急場しのぎであるともいえる状態です。悪い意味で民意が反映されていないことになっています。一方、日本の場合、自民党にせよ、民主党にせよ、移民排斥など極端な主張をする政党は少なく、政治的には似通っている点があることが、今般の民主党政権の登場により証明されました。ならば、フランスのような決選投票を考慮した小選挙区制の導入も考えてもいいのではないでしょうか。そして、なによりも首相を直接選挙にすることです。首相は議会選挙によるものと考えがちですが、イスラエルなどでは、実は首相が直接選挙により選ばれています。国民が総意で選んだのだから、当面は自分が選んだ首相を支持するという状況が生まれれば、政治主導の政局運営ができるのではないかと考えています。わが国も早急な選挙制度の改革が求められるところです。
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