2012年6月30日土曜日

非正規労働者の把握へ、労働力調査の調査方法の変更

正規・非正規という雇用の二重構造が問題になっています。そこで、非正規の雇用者数を把握するため、総務省の労働力調査の調査方法が変更されるそうです。現行の調査では、雇用の契約期間でもって、1ヵ月未満(日雇い)、1ヵ月以上1年以下(臨時雇い)、それ以外(常雇)の3つのカテゴリーに分けられています。しかし、今までの調査方法では、常雇のうち、有期雇用者なのか、無期雇用者なのかの区別がつかないという問題点がありました。非正規雇用者数の正確な把握のため、2013年1月調査より「常雇」を、有期と無期に分類、より詳細なデータが得られることとなります。
非正規雇用の実態が一般に広く認識されていたならば、リーマン・ショック後の非正規雇用者の解雇(いわゆる派遣切りなど)が社会問題化する事態は避けられたと思います。調査方法は良い方向への変更ですので、歓迎するべきですが、やや遅かった気がします。小泉改革の元、2004年3月から始まった製造業への派遣が可能となりました。現時点で考えれば、結果として企業も沈没、労働者も沈没したのが実態です。
ここで、わが国に根付く長期雇用制度が守られていたのならば、国民の大多数が、将来への希望を失うことなく、安定した消費活動に邁進、国内需要がショック・アブソーバーの役割を果たしていたかもしれません。結果は結果ですので、受け止めることしかできないのが実際の雇用情勢だといえます。上表は、厚生労働省・都道府県労働局作成の『改正労働者派遣法の概要』の一部です。確かに、2004年3月1日から製造業への派遣労働が可能にになったようです。今日は、2012年6月10日付山陽新聞朝刊からの引用です。記事のタイトルは『非正規労働、詳細に調査、来年から総務省、雇用政策へ反映』です。以下引用文。
『パートや契約社員といった非正規労働者の就労実態を正確につかもうと、総務省が毎月実施している「労働力調査」の非正規に関する調査項目を来年1月から詳しくすることが9日、分かった。
非正規は労働者の3分の1に膨れ上がり、不安定雇用や低水準賃金が問題となっているが、実態の把握が不十分との指摘があった。政府として調査を重点化し、雇用政策への反映を狙う』
若者の雇用が社会問題化している中で、高齢者を対象とした雇用制度の拡充が行われました。2012年3月22日付『数字より厳しい若者の雇用環境』のブログの中で、政府がようやく若者の雇用対策について本格的な対策を打ち出した旨記述しました。対策が後手に回っている気がします。消費税、原発再稼働、財政赤字、そして雇用など様々な方面で、政府による早急な対策が求められています。東日本大震災が起こって、既に1年3ヵ月も経ちました。その間、政府により解決しなければならない問題が山積しています。内容はともかく、素早い行動こそが悪化を招かない共通した問題解決法であるということを政府関係者はもっと認識するべきです。

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