2012年7月7日土曜日

ハイブリッド車が大幅増、米国の乗用車販売に回復傾向あり

私は、レンタカーですが、トヨタ自動車のハイブリッド車、プリウスを運転したことがあります。2世代目のモデルですが、運転席側から後方を見た際に、やや圧迫感を感じましたが、車内は実に静かであり、心地よいドライブができたという経験をしました。もっとも、その時のドライブは、高速道路が利用の中心であったため、燃費は思った以上に伸びなかったことを記憶しています。電池搭載などで車両重量がそのものが重くなっている同車には不利な使用環境だったといえます。このドライブで、日本のように狭い国土で、渋滞の多い国以外ではプリウスなどハイブリッド車の普及は進まず、国外では独フォルクスワーゲンが開発したTSIなどの方が有利ではないかと切に感じました。確かに、ヨーロッパなどでは高速道路網が整備されており、ディーゼル車の需要が多く、ハイブリッド車の普及は進んでいないようです。
 ハイブリッド車はやはり日本の定型的なガラパゴス的な製品で、日本国内だけでの普及に留まるのではないかと危惧していました。しかし、2012年6月の米国の乗用車販売台数で、ハイブリッド車がけん引し、トヨタ自動車がシェアを大きく伸ばしたようです。同月の同社の販売台数に占めるハイブリッド車の割合は14.5%にものぼり、米国で、日本に続くハイブリッド車の市場拡大が期待でできそうな気配が出てきました。2012年7月4日付日本経済新聞夕刊に米国の新車販売台数に関する記事が掲載されていましたので紹介します。記事の題目は『米新車販売、700万台回復、上期、金融危機前に迫る。』です。以下引用文。

 『【ニューヨーク=杉本貴司】米自動車市場の回復が鮮明になってきた。1〜6月の上半期の新車販売は700万台を超え、2008年の金融危機直前の水準に迫った。原動力となったのはアジアのメーカーの復活。同期の新車販売シェアは日系7社に韓国・現代自動車を加えたアジア勢が45.7%となり、米3社(45.0%)を3半期ぶりに逆転した。トヨタ自動車などが東日本大震災の在庫不足を克服し、再び存在感を高めている』
  日本の自動車メーカーの強さを感じさてくれる記事ですが、手放しで喜べないという事実もあります。円高が定着する中で、トヨタ自動車、日産などは、既に米国など国外への生産移管を決定しており、メーカーは生き残るものの、日本国内の生産増には余りつながらないとものと考えられます。右図は、米国の乗用車販売台数の推移を示したものです。リーマン・ショック前は年率換算で1,600万台近くの乗用車が販売されていたものが、同ショック後1,000万台を下回る水準にまで減少、乗用車販売世界一の地位を中国へと譲りました。米国は雇用情勢に不透明感が高まっているものの、自動車は日本とは比較にならないほど、米国では生活必需品です。人口が継続的増加している中で、買い替え需要が発生しても不思議はありません。そして、人口規模最大のカリフォルニア州の映像によく映っているのは、日本とは比較にならない通勤ラッシュです。米国では、燃費のいいハイブリッド車へと買い替え需要は十分にあると思います。

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