ここで、ASEAN諸国の中で唯一の問題国であったミャンマーの民主化に関する記述が、2012年5月6日付日本経済新聞に掲載されていましたので引用します。記事の題目は『ミャンマー、改革は本物か』です。以下引用文。
『ミャンマーの民主化改革を後押しする動きが慌ただしさを増す。25年ぶりの円借款再開を表明した日本に続き、欧州連合(EU)も経済制裁停止を決定。テイン・セイン大統領は国際社会の支援を背に「経済開放→高度成長→貧困撲滅」のシナリオを描く。ミャンマーは半世紀にわたる軍事政権支配のくびきを脱し、民主主義、市場経済を標榜する「普通の国」になれるか』中国に依存している世界経済ですが、ミャンマーの民主化が進み、ASEAN諸国の存在感が増しているのも事実です。中国国内では既に人手不足に陥っており、全人口ベースでも2010年の13億4,133万人から2035年には13億8,158万人の増加にとどまり、2050年には12億9,560億人へと逆に減少することが予測されています。因に、米国は、2035年に3億7,288万人、2050年には4億310万人へと増加するそうで、所得水準が高く、人口規模が大きい世界の国の中で唯一人口が増加します。一方、ASEAN諸国はどうでしょうか。上表が今後のASAEAN諸国の人口と期近の名目GDPを表したものです。人口は2010年に5億人弱であったものが、2035年には7億人超の水準にまで増加する予想があります。中国の人口は、実態的には高齢化が既に進んでいることから、今後、世界の工場として良質な労働力を得るには、中国中心ではなく、ASEAN諸国を中心とした東南アジアへの依存を高めた方が望ましいと思われます。
表にして気付いたのですが、インドネシアが特に注目されます。日本とインドネシアは良好な関係にあります。以前、味の素に製造過程で豚に起因する原料が混入しているということで、大問題になったことがあります。その時、暴動等へは拡大せず、政治決着のように問題が沈静化したということを今でも覚えています。同国は1人当たり名目GDPが、3,000ドルを既に上回っている上、人口規模が2億人超と大きく、ASEAN諸国の中でも突出した大国です。3,000ドルを上回れば、次は新興国へのステップです。インドネシアは、まさに飛び立とうという瞬間にあるといえます。インドネシアと日本の友好関係が続くことを切に願っています。
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