同様な状況は、日本の商社にも該当します。資源高などを背景に、大手商社が好業績となっている旨の記事が『週刊ダイヤモンド』2012.5.12/19号に掲載されていました。記事のタイトルは「三井物産、資源"一本足打法"からの脱却へ、迫られる収益構造の展開」です。以下記事引用。
『ライバル三菱商事に純利益で肉薄する三井物産。その収益構造は資源価格に左右されやすく、盤石とは言えない。非資源分野の強化で、資源"一本打法"からの脱却はなるか。この記事では、純利益4300億円と好業績を記録している三井物産の資源分野への過度に依存している点が危ぶまれていることを示唆しています。9割以上を資源・エネルギーに依存している同社にとって、これに代わる部門の育成に長年努めており、資源・非資源の割合を50対50にすることを目指しているそうです。右図は、三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠、丸紅のセグメント別ROAを比較したものです。図からは三井物産に限らず大手商社の金属セグメントのROA(総資本利益率)は高いようです。これは、あくまでROAからみたものですので、どの程度、個々の商社が総資産の構成で金属やエネルギー分野へと比重が大きいかに依存します。同記事では、三井物産が総資産8.6兆円のうち39%を、三菱商事が総資産のうち45%を金属・エネルギー分野に資産を投入しているようですので、三井物産の過度な依存とは当てはまらないような気がします。もっとも、中国は、産業の血管たる存在である銅への需要は増大し続けており、資源高というトレンドには、今後も変化がないと予想されることから、商社は引き続き好業績を維持すると考えられます。多角化は企業にとって必須条件であり、三井物産の今後の経営転換が期待されるところです。原油など化石燃料はいずれは枯渇します。エクソンモービルでも同様のことがいえるでしょう。
商社が、軒並み好業績に沸いている。今週発表される予定の2012年3月期決算では、業績トップの三菱商事が純利益4500億円を計上する見通しだ。丸紅など他の商社も、史上最高益を更新するとみられている。
他業界がうらやむ好業績の背景には、過去に投資した鉄鉱石や石炭などの海外での資源権益がある。さかのぼれば40年ほど前の投資案件が、昨今の資源高の波を受けて花開いているケースもある』
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