2012年5月11日金曜日

大台を割った日経平均

今年に入ってから、日本銀行の金融緩和が功を奏し、円安へと導くことにある程度成功し、それに連動してか、3月末には日経平均が1万円台の大台に乗ったばっかりです。その後、ギリシャが総選挙で組閣に手こずり、フランス大統領選でのサルコジ大統領の敗北、イベリア半島リスクの顕在化などにより欧州債務危機の再燃、円相場が再び上昇しています。これに伴い、円高を嫌気してか日経平均株価が下落へと転じ、終値ベースで今日はついに9,000円台を下回ってしまいました。もっとも、どん底であった2011年は過ぎ、日本企業には一部で明るい兆しがみえてきているのも事実です。例えば、今日の個別銘柄の動きでは、ニコンが2013年3月期の決算予想で営業利益が12.4%増の2ケタ増加ということが好感され、前日比195円高(+8.56%)の大商いとなっています。このほか、電機関連でも、パナソニック、シャープ、ソニーは大幅減益となっており、ぱっとしないところもありますが、日立、三菱電機、東芝は社会インフラなどを収益源として、業績の回復が期待されています。企業によりまちまちとのなっているのが、今期の決算発表であり、今後は業績を伸ばす企業の割合が多くなっていけば、株価の本格回復へと向かうことが期待されます。
 『2012年週刊ダイヤモンド』2012.5.12/19号に、日経平均株価の動きのクセについて記述した記事が掲載されていました。記事の題目は『ヘッジファンドの売り出る5月、今年も円高・株安のリスクは大』です。以下引用文。
 『「4月高値・5月転換の月」となる要因は何か。まず、需給要因では、国内機関投資家の決算対策売りが3月中に終了し、4月新年度入りとともに、積極的な売り手が消えることが挙げられる。外国人投資家の積極姿勢が継続すれば、自然に株価に上昇圧力が強まる。
 その高値形成後は、4月中はもちあい相場となるケースが多いが、5月に相場は急落する。最大の要因は、日本株の買い主体である外国人投資家が、スタンスを変更することが多いためだ。
 ヘッジファンドの多くは、11月本決算・5月中間決算を採用している。5月は、半期決算をにらんで、積み上げたポジション(取引残高)のアンワイド(巻き戻し)を行う時期なのだ。そして、彼かはポートフォリオを修正・再構築し、下記の相場に備える』
 同記事は、ウォールストリートに"Sell in May And Go Away"(5月に売ってどっかへ行け)という格言があることを記述、日本の株式相場にこそ、この格言が当てはまるとしています。右表は、2000年以降の日経平均株価の月間騰落率を示したものです。13年間で5月の相場が大きく下落しているのは、今年を含めて7年です。年初からの動きにも注視する必要があることは当然ですが、5月が下落しやすい月ということは決して当てはまっていません。しかし、上記の記事により、株式市場における有力なプレーヤーであるヘッジファンドの決算月が11月本決算・5月中間決算と判明した意味は大きいと思います。もっとも、20年以上も下落傾向が続く日本の株式市場だかこそ当てはまるともいえます。通年では、日本企業の業績の本格回復し、米国経済の復調に加え、ユーロ債務危機の回避が現実となれば、大幅に上昇することも現時点では否定できないでしょう。テクニカル面で、5月の下げ相場にはある程度意味があるとして、今後の株価について過度に悲観的になる必要はないと考えています。

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