2012年5月15日火曜日

原油価格とエクソンモービルの株価

私は、先のブログで電力株を保有していることについて書きました。そして、震災後、株価下落により、大打撃を受けるという結果となりました。因に、電力株の具体的な会社は、中国電力です。中国電力は、本社が広島市にあるせいなかのか、沖縄電力を除く、電力会社の中で、最も原発による発電量の比率が低くなっています。そして、島根原発の検査に関して不備があり、2010年もしくは2011年の原発の発電の実績は、全発電量の3%にとどまっていると記憶しています。
中国電力は、今回の原発全停止による損失が最も小さい電力会社であることも事実です。余剰電力を、危機的な関西電力へと回せる余裕もあることから、今年の夏には、電力を安定供給する責任を果たすべく同社の貢献が期待されるとろこです。もっとも、逆に意味では、同社は、もともと化石燃料に依存する割合が大きく、原油価格の上昇はコスト面で圧迫、ここ数年の業績低迷に直撃していていたという経緯があります。こうした状況で、私が考えたのは、原油価格の上昇によるポートフォリオの毀損に対応するために、原油価格の上昇がプラスとなる手段をポートフォリオに付け加えることでした。原油先物などに手を出すことは到底不可能ですので、原油価格の上昇にリンクして、株価が上昇する銘柄があればということで、銘柄の選定に入りました。そして、私が目をつけたのがエクソンモービルでした。
エクソンモービルに関する記事が、2012年5月4日付日本経済新聞朝刊に掲載されていましたので紹介します。記事の題目は『欧米石油大手、投資12%増、新興国の需要増にらむ』です。以下引用文。
『欧米石油大手5社が石油や天然ガスの開発・生産を強化する。2012年の総投資額は最大で前年比12%増の1367億ドル(約10兆9000億円)に達する見通し。新型ガスや石油の増産に沸く北米に加えアフリカやロシアなどで大型プロジェクトが相次ぐ。12年1〜3月期決算は各社とも業績が伸び悩んだが、新興国を中心とする需要増をにらみ、高水準の投資を続ける。(中略) 各社の1〜3月期の業績は北米のガス価格下落の影響などで伸び悩みが目立った。米国でのガス生産量が最も多いエクソンの純利益は前年同期比で11%減少。一方、アラスカでのガス資産を売却したシェブロンは増益を確保。シェルも東日本大震災後の日本向けLNG輸出の増加などが下支えし全体では小幅減益にとどまった』
 売上高は、原油価格の増加により比較的堅調だったようですが、純利益は5社の間で格差が生じているようです。エクソンモービルは、凄い会社で減益にも関わらず、2012年第2四半期で1株当たりの配当金を0.47ドルから一挙に0.57ドルへと大幅増配することが同社ホームページにて掲載されていました。もっとも、同社の1株当たりの利益は8.28ドルもあり、年間で2.28ドル(=0.57ドル×4)の配当をしたとしても剰余金は十分に確保できるというのが実態です。やや儲け過ぎという感は否めないでしょう。米大統領選でもガソリン価格が争点になっています。石油会社をターゲットとした課税が論争になることも理解できますね。しかし、このような格段の利益水準を維持できる企業が日本にあればというのが、私の本音です。だから、国内の石油会社に投資せず、海外の会社に投資した次第です。
それでは本題に戻ります。エクソンモービルの株価と原油価格はリンクしているかです。右右図は、2007年7月からの同社株式と原油価格(WTI、1バーレル当たり)の推移を示したものです。計量分析でどの程度説明できるかを示すこともできましたが、グラフだけでもリーマンショックがやや落ち着いたと思われる2009年に入ってからは、見事にリンクしていることがわかります。増配を継続的に行っているということが要因となっているかもしれませんが、原油価格の上昇は、エクソンモービルの株価を上昇させることとなり、結果、私のポートフォリオは安定することとなります。同社の株式を保有し、配当金を得ていると、悪徳資本主義に魂を売っているような気がしますが、あくまでポートフォリオの組み方という視点で書きましたのでご了承ください。

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