私を30年以上も前からテニスをしていた関係で、炭素繊維には馴染みがあります。当時、テニスラケットには、グラスファイバーを素材として製造、軽くて丈夫であるという2つの特性を持つことで、木製のラケットを市場から完全に駆逐していきました。その後、友人と釣りをする機会がありました。その時には、グラスファイバーがすでに時代遅れとなっており、カーボン製でないといだめだと、購入する際に注意されたことは今でも覚えています。このカーボンこそが先で述べた炭素繊維の本命であり、航空機などに使用される前に一般大衆にもスポーツ用品を通じて浸透していたという次第です。
もっとも、耐久性、安全性の面から航空機への導入は進んでいなかったのが実情でしょう。私の記憶では、初めて炭素繊維を主要部品に導入した航空機は、三菱重工がメインとなって開発されたF-2戦闘機です。一時期、F-2戦闘機の主翼の強度に問題があることが指摘されていましたが、今の化学メーカーは、その欠点を克服し、今回のボーイング787への納入につながったのです。とても日本企業らしいアプローチであったという思いと、現在開発中の中距離ジェット、MRJ(Mitsubishi Regional Jet)にも炭素繊維が多用されるのではないかと期待しています。炭素繊維の製造は、均質の糸を均等に混ぜ合わせるために高度の技術が求めら、日本企業の独壇場になっています。そして、この炭素繊維は、航空機、そして本命である自動車などへの使用が期待されているのです。

(注)ボーイング777では10トンの炭素繊維を、787では35トンに増加したようです。
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