1位は予想通りインドです。同国の需要は567トンと2位の中国の511トンとほぼ同水準であり、3位の米国115トンを大幅に上回るという結果です。一部ではあると思いますが、インドの結婚式はど派手さで世界的に有名で、表現が良くないのですが、結婚する際に新婦側が新郎側へと金を貢ぐという風習があるようです。同時に、両国の共通点として、ここのところの経済的な発展に加え、金を投資対象と考えており、インフレに対するヘッジ手段として購入する傾向があるそうです。
残念ながら日本は21トンと世界シェアの1%にとどまっています。ここ数年では高騰した金価格を背景に、一般の方々が宝飾品を業者に売却するケースが増えており、時々ニュースの話題になるくらいです。もっとも、21トンの需要がある一方で、かなりの部分が海外へと流出しているのではないかと推測されます。日本人の行動は、いつも反対ですね。通貨が不安定化している上、やっとインフレの気配が出てきている今、金を売却しているのです。
この行動にはやや疑問が残りますが、結果として投資対象として最も安定したパフォーマンスを得たのが、利子をほとんど生まない銀行預金だったのですから無理ないことです。この円高下での売却ですのから、円安がもっとも進行した時に売却した方が利益が大きいはずです。日本人は円という自国の通貨に対する信頼が他国よりも強いのでしょう。つまり、金に対する行動は、他国に例をみないインフレを20年以上も経験したことがない経済体質に起因するものかもしれません。

(注)米国は261.5百万オンスであり、他国を圧倒しています。
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