2012年3月21日水曜日

日本の株価の今後の見通し

日経平均株価がついに1万円という当面の目標を突破しました。ここへきてのユーロ相場の持ち直しにより、欧州に対する売上比率の高い企業の株価の回復が顕著になっており、2012年3月19日付日本経済新聞夕刊にもその旨記載がありました。
 同紙にリストアップされた企業には、マキタ(1月16日からの上昇率43%)、ソニー(同40%)、コニカミノルタ(38%)、リコー(同35%)、京セラ(同25%)、キャノン(同20%)など日本を代表する企業であり、今後の業績回復が期待されています。翌日の2012年3月20日付日本経済新聞朝刊にも、証券会社の株価予想が、相次いで引き上げらていることが記述されていました。同紙による証券各社予想の日経平均株価の引き上げは、SMBC日興、USBが11,000円→12,000円、大和証券キャピタル・マーケッツが10,750円→11,500円、BNPパリバが10,000円→11,000円としています。来期の主要企業の営業利益が35%増から43%増と好業績となることが、この背景にあります。来期は是非期待したいところです。1月のニューヨークダウも3日の始値12,221.19ドルから31日の終値12632.91ドルとなり、結果として1ヵ月間で400ドル超の上昇、その後も上昇を続けています。
ところで、株価指数にはそれぞれに特徴があり、指数によっては株式相場全体を反映していないケースがあります。特徴的なのが、日経平均株価とTOPIXです。いわゆる日経平均株価は、東証一部に上場しており、取引が活発で流動性の高い225銘柄を選定し、特定の算出に基づき平均値を出したものです。日経平均株価に連動したETFも上場されていたり、株価の底上げを目的とした日本銀行の購入の対象にもなっていることから、市場全体から比較してやや高めに推移する傾向があります。一方、TOPIX(東証株価指数)は、時価総額の合計を集計したもの指数化したもので、日経平均株価よりも株式市場全体の水準を捉えた指数であるといえます。両者の動きはともに重要な要素を含んでいることから、「日経平均株価÷TOPIX」というNT倍率といった見方もあるようです。
 また、米国の代表的な株価指数であるNYダウ、NASDAQ、S&P500には特徴があります。特に、NYダウには、シスコシステム、インテル、マイクロソフトなどのNASDAQにのみ上昇している銘柄が含まれていることです。もっとも、最近話題になっているIT4強であるアップル、グーグル、フェイスブック、アマゾンなどの有力企業が含まれていません。上図は、日経平均株価、TOPIX、NYダウ、NASDAQ、S&P500を推移を示しています。2005年1月を100として指数化したものです。驚きは、上記5つの指数が全て、リーマンショック後にほぼ同程度まで下落したことです。もっとも、その後の回復力は全く違うものとなっています。IT4強が含まれているNASDAQは、同期間で1.5倍にもなっていることが分かります。

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